群読劇で日本復帰伝承願う

群読劇では晨原弘久大和村教育長が描いた絵を基に読み聞かせが進められた=提供画像=

奄美の歴史を学んだ児童生徒たちは布を使った「水族館体験」も楽しんだ(11月13日、龍郷町芦徳)=提供写真=

大島特別支援学校で読み聞かせ
スイミーとゆかいな仲間たち

 龍郷町芦徳の県立大島特別支援学校(福永憲一校長、児童生徒113人)の恒例行事「読書祭り」がこのほど、同校体育館であった。読書サークル「スイミーとゆかいな仲間たち」(松浦美和代表、会員10人)が、奄美群島が日本復帰を果たす様子を絵とともに群読劇で紹介。奄美の史実を通し戦争の恐ろしさ、平和の尊さを伝えた。

 「スイミーとゆかいな仲間たち」は、朝日小学校(奄美市名瀬)の保護者らがPTA活動をきっかけに2006年設立。島内を中心に読み聞かせ活動を行い、今年10月に県立図書館協会奄美支部から優良読書会として表彰された。

 群読劇は「12月25日~奄美群島日本復帰物語~」と題し、広報担当の松浦久美子さん(57)が企画。サークル活動の集大成として、「先人の復帰を願った思いの強さ、平和の尊さを子どもたちに知ってもらえれば」との願いが込められた。  

 読み聞かせは大型スクリーンに映し出された、大和村教育委員会の晨原(あさはら)弘久教育長が描いた絵とともに進行し、松浦さんの義父母らが署名した「日本復帰請願署名録」も紹介。劇の最後は、児童たちが日の丸の小旗を振る中、会員による「日本復帰の歌」が斉唱された。

 中学部3年の吉野眞弘さんは「奄美市の町と赤徳中学校の校舎が火に焼け、空の上から爆弾が落とされ建物が壊れていく場面が悲しかった。早く世界の戦争が終わってほしい」と話した。

 松浦さんは「奄美群島の全ての子どもたちに日本復帰の史実を伝えていくことが大切」と話し「今後は復帰の絵本作りを進めていきたい」と希望を語った。