50年人口

20年比奄美は34・3%減
龍郷町減少率、県内で最小

 国立社会保障・人口問題研究所が22日発表した「地域別将来推計人口」で、2050年の鹿児島県内の総人口は117万人となった。20年実績(約158万8千人)を100とした人口指数は73・7になり、減少率26・3%との見通しが示された。奄美群島の人口指数は65・7(減少率34・3%)で県全体を上回る減少率だが、市町村別でみると龍郷町の減少率が県内で最も小さい。

 推計人口は20年の国勢調査に基づき、20~50年の30年間について、都道府県、市区町村別の人口の変化についてまとめたもの。鹿児島県の総人口は30年に144万8千人、40年には130万9千人となる見込み。

 県内43市町村でみると、20年実績を100とした50年の人口指数は、5市町で半分以下になると予測。落ち込みが最も大きいのは南大隅町の38・8で、錦江町の44・2、垂水市の48と続き、湧水町(49・5)と阿久根市(49・6)も半分以下になる見通し。

 奄美群島12市町村の人口は20年が10万4281人で、50年は20年比で34・3%減少し、6万8533人(人口指数65・7)になる。市町村別で減少率の最大は千人台を大きく割り込む大和村(46・5%)で、喜界町(41・3%)も40%台の減少率となりそう。

 減少率が最も小さいのは龍郷町(12・5%)だが、同町は姶良市(15・5%)、鹿児島市(16・0%)よりも小さい。龍郷町の竹田泰典町長は「Iターン者のほか、国道沿いには奄美市など近隣地域からの居住者が見られる。ただ荒波地区の人口減に歯止めを掛けて安定させたい。(秋名集落の取り組みのように)文化、自然を生かし地域の良さ魅力を高めると同時に、教育民泊の施策を切り札にして学校に通う子どもが増えるよう進めていきたい。人口の定着、増加を図る取り組みはまだまだ課題がある」と語った。

 一方、高齢化率(総人口に占める65歳以上の割合)をみると、50年の県内(48万3千人)は20年比で8・7ポイント上昇し、41・2%。これに対し14歳以下は13万人で、県内の総人口に占める割合は20年比で2ポイント減の11・1%となった。