子どもたちがつなぐ「復帰の日」前夜祭

桑原諒さん(中央)は復帰の日への思いをチヂンに込めた(24日、奄美市役所市民広場)

国旗掲揚に涙も 奄美市役所市民広場

 奄美群島の日本復帰が実現した1953年12月25日を記念した70周年記念・復帰の日前夜祭「島ぬ未来ぬYOU LIVE~結らイブ~」(奄美市メモリアルイベント実行委員会主催)が24日夕、奄美市役所前市民広場をステージにあった。「語り継ぐ次世代へ、ウヤフジ(先祖)の想(おも)いは、未来へとワラブンキャ(私たち)がつなぎます」とのサブタイトルには、運営・進行に携わった地元高校生たちの熱い思いが詰まっていた。 

 小さな子どもたちが国旗を手にステージに登場し開幕。奄美高校郷土芸能部9人が「朝花節」など活動の成果を次々と披露した。観客の中には、ステージ前に出て踊り出す人もいた。

 復帰を祝い国旗掲揚があり、観客全員が起立して「君が代」を歌った。観客席の最後尾で涙を流しながら歌う高齢の女性の姿もあった。

 同市少年少女合唱団13人は「日本復帰の歌・朝はあけたり」などを美しいハーモニーで披露し、大きな拍手を浴びた。

 大島北高校は、地元の古老たちへの聞き取りでまとめた戦中・戦後の報告を行った。大島高校書道部と同校ダンス部もステージに上がった。最後は全員で六調を踊り、約2時間のライブは幕を閉じた。

 来年卒業し、神奈川の専門学校に進学する奄美高校郷土芸能部の部長・桑原諒さん(18)は「島に戻り、伝統文化を未来に残せる人材になりたい」と話し、高校生にとっての12月25日を、「先人が導いた大切な日」と表現した。