日本復帰記念の日のつどい

名瀬小学校校庭の石段に立ち「断食悲願」を朗読する名瀬小6年生

「先人の偉業、次世代へ」
70周年の節目祝う

 奄美群島の日本復帰70周年を迎えた25日、奄美市名瀬の名瀬小学校で「日本復帰記念の日のつどい」が行われた。島内の市民団体や事業所34団体などから約1600人の島民が参加。復帰運動を率いた泉芳朗氏の詩「断食悲願」の朗読や「日本復帰の歌」や「朝はあけたり」を歌い、節目の年を祝い日本復帰を果たした先人たちの苦労に思いをはせた。

 復帰運動の集会会場だった名瀬小グラウンドには、市内の小中学生や親子連れなどが続々と詰めかけ、つどいが始まる前から大勢の島民らの熱気に包まれた。

 つどいは、午後6時に金久中2年臼山倫羽(ともは)さんの司会進行でスタート。安田壮平市長は、泉が復帰運動の演説を行った石段に立ち「争いを起こすことなく復帰を成し遂げた運動は大変意義深く、混とんとする今の時代だからこそ、奄美群島から世界に発信すべき史実である。平和の尊さを伝え、未来に生かしていくことは、今を生きる私たちの責務。先人たちの偉業と思いを一人一人が次世代へ語り継いでいきましょう」などとあいさつ。同小6年生42人も石段に並び「断食悲願」を声高に朗読した。

 また、名瀬中2年の杉本寛喜さんが児童生徒を代表し「先人たちが守り受け継いできた文化や教育を絶やすことなく、日本復帰を成し遂げた奄美の人々の歴史を受け継ぎ、語り継いでいくことが私たちの使命だと思います」などと意見発表し、決意を新たにした。

 最後は、全員で復帰を祈念して作られた「朝はあけたり」を合唱、万歳三唱で70周年の節目を祝った。