機器故障「年内キビ搬入・操業停止」

機器故障で「年内停止」となった南西糖業徳和瀬工場。搬入原料の伊仙工場移送も開始した=25日午後1時頃、徳之島町

南西糖業・徳和瀬工場 影響深刻化を懸念
徳之島

 【徳之島】徳之島・南西糖業㈱(神﨑俊社長)の2工場は21日から今期産サトウキビ原料を受け入れて操業を開始したが、徳和瀬工場(徳之島町)で22日夕に主要機器の不具合が発生した。生産農家からのキビ搬入を停止したまま25日も復旧のめどは立たず、同社は27日まで計画していた同工場の年内操業の「休止」を発表した。1工場態勢による影響の長期化も懸念される。

 奄美群島最大のサトウキビ産地の徳之島。南西糖業は徳和瀬工場(平均日圧搾量968㌧)と伊仙町の伊仙工場(同1057㌧)の2工場態勢で製糖処理する。今期製糖計画では来年3月23日にかけて79日間で16万㌧(徳和瀬7万6475㌧、伊仙8万3525㌧)の受け入れを予定していた。

 同社徳之島事業本部によると、徳和瀬工場は22日午後4時過ぎ、発電機器の故障が発生し操業が停止。発電担当者が現場確認したところ、運転再開できない状況にあったため以降工場を休止した。同時に農家が生産し輸送組合のトラックに託している同工場への原料キビの搬入(買い入れ)も停止。23日以降は、関係団体に収穫調整を依頼し、伊仙工場のみの1工場態勢で対応している。

 徳和瀬工場の復旧に向けては、23日にメーカーの技術者が来島して分解・点検をしたところ、「内部の部品摩耗や接触箇所がみられた」。26日は別の技術者の調査を予定しているが、現時点では故障原因を調査中で年内の操業再開は見込めないという。生産農家にとっては年内の出荷計画量の半減を余儀なくされる点には、「年末年始の物入りの〝越年資金〟確保にご迷惑おかけして申し訳ありません。1日も早い復旧に全力を尽くします」(浜口正仁総務部長)としている。

 一方で、同社OBでもあるキビ生産農家の男性(60歳代)は「故障内容の詳細は分からないが、発電機器は工場の心臓部。部品の確保や交換など修理作業も大掛かりになり、完成検査期間など考慮すると今期は厳しいのでは」と指摘。伊仙工場のみの対応が続くと「キビの搬入・操業期間が単純に〝倍〟に延びるだけではなく、設備機器の耐久性などの問題も生じるのではないか」と懸念する。