羽田事故影響奄美でも

疲れた表情で奄美空港の到着ゲートをくぐるJAL羽田発下り便の搭乗客(3日午後3時半頃、奄美市笠利町)

 

1時間半近く遅れて到着 搭乗客、疲れた表情

 

 2日発生した東京・羽田空港滑走路上での日本航空(JAL)の旅客機と海上保安庁の航空機の衝突事故の影響は、奄美空港発着の東京便にも及んだ。3日定刻午前11時30分の下り便は、使用できる滑走路が少なくなった影響で約1時間遅れで出発。到着は約1時間半遅れとなり、奄美空港の到着ゲートからは疲れた表情で搭乗客が姿を見せた。

 瀬戸内町在住の公務員(55)は、「午前6時半に羽田空港に着いたが、日本航空のカウンターは既に長蛇の列。ウェブ上で便を押さえてくれと繰り返し告げられ、出発ぎりぎりで変更できた。その間は立ちっ放し。これから古仁屋に帰り、明日は仕事」と急ぎ足で空港を後にした。

 奄美空港出発ロビーは、定刻午後2時45分発の羽田便の出発を待つ人であふれ、3階展望デッキの待合スペースも人で埋まっていた。

 「一部滑走路閉鎖の影響で航空管制の処理容量が低下し、出発を遅らせるよう要請があった。出発予定が午後7時になる」と館内放送があると、ロビーにはため息をつく人の姿も。

 日本航空の空港カウンターの担当者によると、搭乗を諦めキャンセルする人も数人いたという。

 県本土出身で、東京でIT関係の会社を経営する園田崇史さん(50)は、「出張が多いので飛行機の遅延は慣れている。大変な目に遭っている人のことを考えると何でもない。のんびり待つ」と話した。

 明日の仕事のため、今日中に横浜まで帰らなければならないと話していた奄美市出身の青山智子さん(43)は、「昨日の映像を見ると飛行機に乗るのも怖い。香川に住む弟も帰省し、5年ぶりに家族が顔を合わせた。いい年になると思ったのに」と複雑な胸の内を明かした。