海洋展示館に〝龍〟

魚とは思えないフォルムに愛好者も多い(奄美海洋展示館)

タツノオトシゴ漂う

 2024年の干支(えと)は辰(たつ)。奄美市名瀬小宿の奄美海洋展示館で、幸せを呼ぶといわれるタツノオトシゴが静かに漂っている。

 熱帯から温帯の浅い海に生息するトゲウオ目ヨウジウオ科の魚。古来「龍の落とし子」と呼ばれ、奄美大島の海にも数多く生息する。

 ダイバーたちの間では「出会うと幸せになる」と言われている。メスは、オスの育児嚢(のう)に産卵、子育てはオスが行う。メスがオスに向かい合って卵を渡す際、ハート型を描くことも由来の一つとされている。

 写真は「クロウミウマ」。環境によって黄色~茶色~黒色の個体になるという。同館では、頭を下にして群れで泳ぐ、ほぼ一直線の形をしたヨウジウオの仲間なども展示している。

 冬休みもあとわずか。「辰年のタツをぜひ見にきてほしい」と担当者。