威勢よく今年の初競り

新鮮な魚介類が並んだ名瀬漁協の初競り

昨年を上回る地場産野菜が並んだ名瀬中央青果の初競り

名瀬漁協・名瀬中央青果 地場野菜入荷量多く
1年の豊漁、豊作願う

 奄美市の名瀬漁業協同組合(満林春男組合長)と名瀬中央青果㈱(森山直樹社長)で5日朝、今年の初競りが行われた。両市場の開始式には同市の安田壮平市長も出席。地元食材の供給を担う組合員や生産者らに感謝を伝え、「市民の台所を支えてもらえるよう、行政として各種政策を通して積極的に支援していきたい」などとあいさつし、豊漁、豊作を祈願した。鐘の音とともに競りが始まると、荷さばき所には威勢のいい掛け声が響き、新年最初の取引が開始された。

 同市名瀬港町の名瀬漁協では、午前6時半から開始式が行われ、乾杯で今年1年の豊漁と操業中の無事故を祈願した。安田市長は「市民や観光客に地場産のおいしい水産物を安定供給していただけるよう、行政としてもしっかり支援していく。漁業者の皆さんが今年1年間、安全で大漁となることを願っています」などとあいさつした。

 満林組合長は「魚価の低迷と燃油高騰による漁業者の経営環境は厳しさを増している。今年は辰(たつ)年なので、漁協としても上昇気流に乗れるよう明るい話題を期待し、魚価の安定、生産者の収入向上に努めたい」などと話した。

 荷さばき所にはイセエビやカンパチ(ソージ)、チビキ(ハマダイ)、エラブチ(ブダイ)、タコ、コウイカなど奄美近海産の魚介類が並び、仲買人は目当ての水産物を次々と競り落としていった。

 この日の水揚げ量は、大物のマグロ類の水揚げが少なかったため約958㌔と昨年(約1405㌔)を下回ったが、満林組合長は「年末以降、天候も安定し、例年並みの水揚げがありホッとした。漁に出た組合員に感謝したい」と話した。

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 名瀬中央青果は同市名瀬長浜町の市場で午前8時半から競り始め式を行った。三本締めで今年1年の豊作と食の安心安全などを祈願。安田市長が鐘を鳴らしたのを合図に初競りが始まった。

 市場には奄美大島や喜界島などの農家が出荷したダイコン、ニンニク葉、フダンソウ、トマト、キャベツ、キュウリ、シイタケといった野菜のほか、ポンカンや津之輝、パッションフルーツなどの果実も並び、威勢のいい掛け声とともに次々と競り落とされた。

 この日の入荷量は野菜5000・9㌔(うち地場産は2351・4㌔)、果実516・5㌔(同510・5㌔)、花き86㌔(すべて地場産)。果実は昨年を下回ったが、野菜は地場産が増えたことで昨年より3割ほど多かった。

 名瀬中央青果によると、野菜は昨年8月初旬の台風6号以降、暖冬が続いた影響などから地場産野菜の入荷が少ない状況が続いていたという。暖冬の影響を心配していた担当者は、平年より多かった地場野菜の入荷に安堵(あんど)の表情を浮かべていた。

 果実は津之輝の入荷が増え、単価も高値だった。花きは野菜同様台風の影響で入荷が少なく、高値だった。