空き家活用し居住支援を

空き家の活用や相続、売却などについて建築士や不動産事業者などに相談する参加者

所有者や相続人ら対象に
奄美市が講演会や相談会

 奄美市は6日、同市名瀬のアマホームPLAZA(市民交流センター)で、空き家を所有する市民らを対象にした「空き家対策×居住支援」イベントを開いた。空き家の所有者や、空き家となる可能性のある住居の所有者と相続対象者ら約50人が参加。講演会や相談会を通し、空き家を放置した際の問題点や相続・売却・リフォームなどの維持管理や有効活用による居住支援などについて学んだ。

 イベントでは、空き家の有効活用による地域活性化など取り組むNPO法人「結(ゆい)の夢来人(むらびと)・絆プロジェクト」(鹿児島市)理事長の有馬法久氏が講演。全国的に空き家が増加している現状などに触れ、空き家を放置した際に起こりうる被害や負担増加などの問題点と空き家の利活用による地域活性化策などについて分かりやすく説明し、「空き家の有効活用で地域活性化が図られ、居住支援にもつながる。老朽化などによる危険空き家化を防ぐこともできる」などとし、空き家予備軍の家屋について、その活用法を親類や家族で事前に話し合っておくことの必要性などを指摘した。

 また、県内各地で空き家を活用した地域再生の成功事例なども紹介。古民家を地域の集会施設などとして活用したり、障がい者の就労支援施設として再生させたことなどを報告した。

 同市の空き家対策や住宅のリフォーム助成制度、空き家バンクなどの移住定住支援の取り組みなどの説明もあり、参加者らは真剣な表情で聞き入っていた。

 相談会もあり、市の担当者や建築士、税理士、不動産業者らが10ブースに分かれ、相続や売却、リフォームなどに関する課題や支援制度などについて、参加者の相談を受け付けた。

 同市笠利町に空き家を所有する男性(64)は「このまま放置すれば、老朽化が進み危険空き家になってしまうし、賃貸するにもリフォームに数百万円かかる。固定資産税などの問題もあり空き家の維持管理は大変。何とか良い対策があれば教えてもらいたい」などと話していた。