「島しょin奄美」演奏会

陸・空の自衛隊音楽隊の合同演奏もあった島しょ演奏 in奄美(7日、奄美市名瀬)

 

 

西部方面音楽隊初の声楽隊員・水上珠奈陸士長が美声を響かせた

 

 

奄美市笠利町出身の唄者で奄美駐屯地業務隊の松崎博文2等陸曹と妻の泰子さんが奄美民謡を披露した

 

 

陸・空自音楽隊の共演も
奄美駐屯地・瀬戸内分屯地5周年記念

 

 陸上自衛隊奄美駐屯地・瀬戸内分屯地の開設5周年を記念した西部方面音楽隊(稲積英典隊長)による演奏会「島しょin奄美」が7日、奄美市名瀬の奄美川商ホール(奄美文化センター)であった。声楽専門の自衛隊員がソプラノを独唱したほか、航空自衛隊南西航空音楽隊(佐藤哲也隊長、那覇)との合同演奏も披露。会場には各首長も来場する中、約1200人の聴衆を魅了した。

 西部方面音楽隊(熊本・健軍駐屯地)は1953年、前身の第4管区総監部音楽隊として福岡駐屯地で発足。九州・沖縄を中心に活動し隊員の士気高揚のほか各儀式、国家行事など活動範囲は多岐にわたり、22年11月にはオマーンで初めて海外公演。奄美大島での演奏は20年8月以来となった。

 奄美駐屯地主催。演奏会では石川県能登地震の犠牲者へ冥福を祈り約1分間黙とう。長谷川健駐屯地司令は実家が同県にあると伝え、「倒壊、けが人などなかったが、奄美の部隊指揮官として平素から即応体制を確立し、いかなる事態でも速やかに対応、行動しなければならないと深く認識した。任務である南西地域の島しょ防衛にまい進することを誓う」とあいさつした。

 演目は2部制。第1部は西部方面音楽隊約40人による吹奏楽「GRANDMARCH」でスタート。22年に同隊初の「声楽」隊員として入隊した水上珠奈陸士長によるソプラノの独唱では、場内に響き渡る美声に大勢の観客が酔いしれた。

 第2部は自衛隊音楽隊唯一のビッグバンド編成、南西航空音楽隊の隊員約20人がジャズ5曲を披露。アルトサックスのソロ演奏もあり、締めとなったアップテンポな曲調の「Moment危 Notice」では万雷の拍手が送られた。

 奄美市笠利町出身、奄美駐屯地業務隊の松崎博文2等陸曹(44)、泰子さん(44)夫妻による奄美民謡の後、2音楽隊合同演奏によるジャズでアレンジされた「ルパン三世のテーマ」など、多彩なプログラム構成を展開。最後は、会場一体となった六調で締めくくった。

 笠利町喜瀬の石川成美さん(45)は「自衛隊音楽隊の演奏を前から聴いてみたかった。迫力があり、ソプラノの独唱には感動して涙が出た」と話し、息子の翔喜君(7)は「大きな音が聴けて楽しかった」と笑顔を見せた。

 奄美駐屯地と瀬戸内分屯地はともに2019年3月、南西諸島の防衛体制の強化を目的に開設。奄美駐屯地には、警備隊ほか中距離地対空誘導ミサイル(中SAM)部隊や電子戦部隊など約420人、瀬戸内分屯地には地対艦誘導ミサイル(SSM)部隊など約210人が所属している。