優勝パレードで島民の声援に手を振る近本光司選手(8日、和泊町)
【沖永良部】プロ野球・阪神タイガースの近本光司選手(29)が8日、自主トレーニングのため沖永良部島入りした。18年ぶりのリーグ優勝と38年ぶりの日本一を祝おうと、島民らによる手作りの優勝パレードを開催。近本選手は、沿道を埋め尽くした島民らに「ありがとう」と声を掛け、喜びを分かち合った。
近本選手は、4年前から毎年沖永良部島で自主トレーニングを行っている。パレードは、島の子どもたちの夢を応援するため、和泊町の企業版ふるさと納税を活用して企画された。町役場には昨年末から近本選手を歓迎する横断幕とポスターを掲示し、来島を心待ちにしていた。
2023年シーズン、近本選手はチームの中心としてリーグ優勝と日本一に貢献。4度目のセ・リーグ盗塁王と3年連続のベストナインとゴールデングラブ賞に選ばれ、日本シリーズではMVPを獲得した。
同日午後3時15分ごろ、沖永良部空港に到着。出迎えた島民らが飛行機から降りてくる近本選手に「優勝おめでとう。お帰りなさい」と呼び掛けると、笑顔で手を振り応えていた。
パレードは、和泊町役場前からみじらしゃ通り商店街を通る約500㍍の距離を交通規制して行われた。
同町の前登志朗町長による「バモス!」の合図でスタート。近本選手はオープンカーの代わりにタイガースカラーを施した役場公用トラックの荷台に乗り込み、地元の野球少年団のメンバー約40人が先導しながら、約30分間かけてゆっくり進んだ。
沿道の島民からは「感動をありがとう」「今年も優勝して」など大きな歓声が上がった。
パレードで先導した和泊リリーズの竹之下結衣さん(12)=和泊小6年=は「近本選手は守備もバッティングもすごい。一緒にパレードに参加できてうれしい。私も野球を頑張る」と話した。
前町長は「これだけ多くの島民が集まり優勝パレードを開催できてうれしい。日本球界を代表する選手が島に来てくれるのはすごいこと。これからも応援していきたい」と喜んだ。
午後6時から和泊中学校体育館で優勝セレモニーとトークショーを開催。あいさつで近本選手は「今年も沖永良部からスタートできることを光栄に思う。島民の皆さんが喜んでくれているのを見て、優勝はすごいことなんだと実感した」と話した。
自主トレは24日まで行われる。