奄美市が作成「マイエンディングノート」

奄美市が作成した「マイエンディングノート」

人生の終末に備え
「家族で話し合うきっかけに」
1400部、無料配布

 奄美市は、人生の終末期に備え、自身の希望などを書き留める冊子「マイエンディングノート」を作成し、市民を対象に無料配布している。昨年9月に完成、市高齢者福祉課の窓口や高齢者を対象とした地域健康教室などで希望者に配布しており、同課の担当者は「人生を最期まで自分らしく過ごすために活用してもらいたい。ノートを通して、家族と将来について話し合うきっかけづくりになれば」と話している。同ノートは同市各総合支所内の地域包括支援センターなどで受け取れる。

 同ノートは、自治体の広告事業などを行う㈱ジチタイアド(本社・福岡市)がデザイン編集を担当、企業広告を掲載することで市の財政負担なしで作成した。A4サイズ18ページで、計1400部を作成。人生の残り時間をより豊かにし、残された家族の負担を軽減することなどを目的としている。

 自身の基本情報や資産、パソコンや携帯電話などプライベートな持ち物について、分かりやすく情報をまとめておくことができるほか、現在の健康状態や病気になった時の治療、延命処置、終末期医療の希望などについて記載でき、財産や葬儀などについても自らの考えを記しておくことができる。

 同課によると、一人暮らしの高齢者や高齢家族の介護などを行っている市民から、「終活」に関する相談や問い合わせも年々増えているという。

 担当者は「終活への漠然とした不安を抱えている人も多い。何から始めたら分からない人でも、ノートのテーマに沿って書き進めるうちに、自然と思いを整理することができるようになっている。好きなページから無理なく書き始めてほしい」と話している。

 ノートは年齢制限なしで欲しい人は誰でももらうことができる。ノートに関する問い合わせは各総合支所地域包括支援センター(電話=名瀬0997・57・0167、住用0997・69・2111、笠利0997・63・2299)へ。