龍郷町社協「災害VC運営者講習会」県内初開催

県内初開催となった災害ボランティアセンター運営者研修会(13日、龍郷町どぅくさや館)

住民参加の協働型へ
被災者支援に向けて

龍郷町社会福祉協議会(前島克幸会長)は13~14日、同町保健福祉センターどぅくさや館で「災害ボランティアセンター(VC)運営者研修会」を開いている。奄美大島島内の各市町村社協、社会福祉施設、地域住民など約40人が参加。自治体単独では成り立たなくなった被災者支援に向けて、協働型災害ボランティアセンターの設置や組織作りなどの運営を各地の例などをもとに学ぶ。

同研修会は、全国社協のモデル研修として行われるもので、県内では初開催。VCは、災害時に各地の社協が中心となって設置・運営、被災者の生活再建の支援を目的に、ボランティアの力をつなぐ役割を担う。

13日は、県社協の辻健一所長を講師に、災害に関する基礎知識やVCに関する基礎知識、被災者の置かれている状況の理解、VCの仕組みなどを学んだ。

被災直後、「なぜ自分だけがこういう目に遭うのか」という悲嘆に暮れた思いが、ボランティアや地域の助け合いによって改善され、いち早く日常を取り戻すことにつながるなどと説明された。

VCは、被災者の生活再建のためにボランティアの力を届ける仕組みで、行政や地域・団体などとのブロック支援による「協働型」を目指す必要があるとした。

被災者の相談・困り事を把握する▽ボランティアの力を届ける▽専門的な知識や技術を仲介する―が基本機能。地域の自治組織が時間の経過とともに変化するニーズを聴き取り、マッチングにつなげる機能を持たす必要があるという。

参加した明(あきら)勇夫さん(66)は、「(区長を務める)大勝でも川の氾濫があったと聞いている。高齢者も多く、すぐに対応できるようにしたい」と身を引き締めていた。

14日は、こうしたVCの役割や目的を踏まえ、ボランティアの受け付け、派遣する災害現場での留意事項の周知を図るオリエンテーション班、マッチング班、資機材の貸し付けなど、実際の現場を想定したVC運営訓練などが行われる。

研修修了者は、災害発生時には「運営者」として災害VCの運営に協力する。