奄美市特認校通学バス

新年度から運賃値上げ
18日説明会で最終案提示
市教委「負担軽減図りたい」

 

 奄美市教育委員会は、小規模校特別認可(特認校)制度の児童生徒を受け入れている崎原小中学校の保護者らが昨年12月、新年度からのスクールバス利用に伴う保護者負担金増額に対して負担軽減などを求めている問題で、18日に保護者説明会を開くことにした。同じ特認校の芦花部小中の保護者からも今月12日、同様の負担軽減を求める要望が出されており、市教委学校教育課は「特認校制度の趣旨や市の財政状況、保護者負担の影響などを勘案したうえで、できるだけ負担を少なくできるようにしたい」とし、説明会で最終的な負担額を提示する考えを示した。

 特認校制度を利用し両校に通う児童生徒は56人。全員がスクールバスを利用し通学している。スクールバスの運行は「しまバス」(本社奄美市)が受託しており、23年度の業務委託費は約1400万円。市が運賃1人あたり月額約2万円を補助。保護者の運賃負担額は芦花部小中が月額1人4000円、崎原小中が同3500円で、保護者の負担割合は約16%程度となっている。

 しかし、この委託費が新年度、約870万円増の約2270万円に引き上げられることになるという。国が運行事業者の設定する運賃の目安となる「公示運賃」を引き上げたことや燃料高騰などが主な要因で、大幅な増額に、市教委は「保護者の負担増は避けられない」としている。

 負担額については、スクールバスの運行開始当初の保護者負担割合である30%を目安に算定。児童生徒1人あたり1万~1万2千円とする案について、昨年9月に開いた特認校関する説明会で示したほか、昨年12月上旬には、学校や保護者に改めて文書などで通知した。

 これに対し、両校の保護者代表らが相次いで、負担軽減を求める要望を同市に提出。市教委もこうした保護者らの声を受け、改めて負担額の見直し作業を進めている。

 市教委学校教育課の担当者は「特認校に対する保護者や地域住民の思いは理解している。一方で、スクールバスの業務委託費は年々増加し、市の負担も大きくなっている。できるだけ負担軽減に努めているが、運賃引き上げには理解をお願いしたい。具体的な負担額については、改めて18日の説明会で金額を提示したい」としている。

 特認校は過疎化が進んでいる地域の学校など市町村教育委員会が認めた場合に限り、校区外の児童生徒の入学を認める制度。同市は特色ある教育活動や地域の活性化などを目的に、2002年に芦花部小中、11年に崎原小中を特認校に指定。児童生徒の受け入れを行っている。

 学校や地域住民の努力などもあり、同制度を利用する児童生徒は年々増加しており、23年度は芦花部小中32人、崎原小中24人の児童生徒が同制度を利用し校区外から通っている。