徳之島町 亀徳小で減災教育

避難所用テントなどの設営にも挑戦した亀徳小6年生たち=16日、徳之島町

傷病者のいろんな搬送方法も体験した

テント設営や搬送も挑戦
「何ができるか知り将来に備えて」

 【徳之島】徳之島町立亀徳小学校(越間むつみ校長)の6年生22人を対象にした減災教育1日目「避難所開設訓練」が16日午前、同校体育館であった。町役場と地区消防組合本署の協力も得て避難所用テントや折り畳み式ベッドの設営、傷病者のいろんな搬送方法にも挑戦した。17日は「炊き出し訓練」がある。

 亀徳小と徳之島高校(同町内)は今年度の全国「アクサ×ユネスコ協会減災教育プログラム事業」(論文審査・全国30校)に選定された。県内からの採択は両校のみで、同小からは中尾真一教諭が昨年9月、宮城県気仙沼市で3日間あった講師育成研修会に参加。東日本大震災を教訓にした防災・減災教育のスキルを高めている。

 亀徳小は家庭科授業に絡めて教育実践。学習成果を通した訓練初日の避難所開設訓練は、「地震発生・津波の心配なし・被害家屋あり」などと想定。6年生たちはまず教室から駐車場(校舎裏に新設・海抜約10㍍)に1次避難して人数を確認した。避難所の体育館では避難者用の「ワンタッチ間仕切りテント」と「折り畳み避難ベット」設営にも挑戦。また、担架など運搬具のない現場からの傷病者搬送方法の数々も実践体験した。

 6年生の玉利詩織さん(12)は「道具のない時にけが人を運ぶ方法も、その時々でいろいろあることが分かった」。犠牲者が222人に上っている石川県・能登半島地震については「避難所では感染症も発生し、多くの人たちが家に帰れずにかわいそう。発災時はお年寄りなどほかの人たちにも声を掛けて一緒に逃げたいです」と語った。

 越間校長は「訓練を計画後に能登半島地震が発生。この減災教育活動を通し、子どもたちには自分たちに何ができるかを知り、将来にも備えてほしい」と話した。

 2日目(17日)の「炊き出し訓練」は、町社会福祉協議会の赤十字活動の協力も得て、災害復興への行動、生き抜く方法も考える。

 今月28日には校区の亀徳地区防災訓練も計画。子どもの立場から一連の減災教育の成果を発揮する予定という。