ピーチ運航の関西線運休は奄美観光に影響を与えている(関西発の奄美便、関西空港で)
LCC(格安航空会社)のピーチ・アビエーションは昨年10月29日からの冬ダイヤで季節運航に乗り出し、奄美関係2路線のうち大阪(関西)線は運休が続いている。奄美市が観光関係業者への聞き取りを行ったところ影響が把握されたほか、県が毎月まとめ公表している観光客動向でも延べ宿泊客数の落ち込みがみられた。市は島内の他自治体や関係機関と合同へ安定就航を求める要望活動を予定している。
運休から1か月となる11月の影響を探るため、市紬観光課は昨年12月、奄美大島観光協会会員の奄美市内の宿泊・飲食業者(計5業者)とレンタカー業者1社に電話で聞き取り。それにより関西線の運休で「利用客への影響はだいぶある」実態が把握された。
11月の影響は、県PR観光課が公表している観光客動向で数字として示された。ホテル・旅館の宿泊施設を対象としたサンプル調査で奄美地区は12施設が回答しているが、同地区の延べ宿泊客数は2万3938人となり、前年同月比19・0%減少した。県内地区別で最大の減少率で、要因として「国内宿泊客の減少(個人客、団体客ともに)」が挙がった。
市紬観光課は「運賃が安い上、ネットで手軽に予約できるLCC路線の利用は若い世代、個人客の利用が多い。運休により、こうした世代の観光客の減少が数字となって表れている」として安定就航に向けて、ピーチ本社(大阪府)への要望活動を予定している。奄美大島内5市町村、さらに経済・観光関係団体と官民一体となっての活動に向けて日程を調整中。
また、成田空港発着の奄美線も成田発が午前7時となっており、早朝のため「東京からの移動の負担が大きい」「奄美からの利用では成田空港周辺の宿泊施設を利用しないと間に合わない」といった事情などから時間帯の改善を求める声が出ている。市では成田発の時間帯についても取り上げる方針だ。
なお、冬ダイヤは2月8日までの3か月となっている。