奄美市特認校通学バス

芦花部、崎原の両小中学校のスクールバス運賃値上げに関する説明会

負担割合年次的引き上げへ
新年度は15%負担にとどめる
芦花部、崎原小中

 奄美市教育委員会は18日夜、市役所会議室で小規模校特別認可(特認校)制度を利用し芦花部小中学校と崎原小中学校に通っている児童生徒の保護者を対象としたスクールバス運賃値上げに関する説明会を開いた。市教委は新年度からの月額運賃について、それぞれ2000円、2200円引き上げ、芦花部小中5500円、崎原小中6200円とすることを報告した。両校の月額運賃については、当初、従来運賃の約3倍近い1万円~1万2千円程度に引き上げられる見込みだったが、負担軽減を求める保護者らの要望を受け、市教委が見直した。

 保護者の負担額については、スクールバスの運行開始当初の負担割合(30%)や同市の高校遠距離通学バス助成制度(助成割合67%)などから30%程度の負担とすることを決定。一方で、急激な負担増の軽減措置として、年次的に負担割合を引き上げることとし、24年の負担割合は15%にとどめ、27年度まで5%ずつ引き上げる方針を示した。

 市教委によると、スクールバスは「しまバス」(本社・奄美市)が運行しており、今年度の利用者1人あたりの月額運賃は、芦花部小中3500円、崎原小中4000円で、運行費の83%を市が負担している。

 一方、新年度の業務委託費は、約870万円増の約2270万円となる見込みで、市の負担が大幅に増えることから、市教委は保護者らにも負担増を求めていた。

 運行費の急激な増加の背景には、昨年10月に国が貸切バス運行事業者の設定する運賃の目安となる「公示運賃」の大幅引き上げが行われたことなどが影響している。

 説明会では、保護者から現行のスクールバスの在り方を抜本的に見直す必要性などを指摘する意見が相次いだ。

 また、今回の運賃引き上げについて、保護者などの意向を聞く機会がなかったことから、市教委や学校、保護者、地域住民らで組織する協議会の設置を求める意見もあった。

 村田達治教育長は「関係機関や地域住民、保護者のみなさんと一緒に、負担軽減のためのより良い方策を検討していきたい」などと話した。

 特認校制度を利用し両校に通う児童生徒は今年度、芦花部小中32人、崎原小中24人の計56人。全員がスクールバスを利用し通学している。