伊仙町歴民館「徳之島のいろは」で鍾乳洞探検

暗黒の「暗川」洞内で轟音を発して出現する圧巻の滝=20日、伊仙町小島
「ヨヲキ洞穴」ではライトにきらめく鍾乳石に参加者らもうっとり=伊仙町伊仙

豪快、繊細に…大地の芸術にうっとり

【徳之島】伊仙町歴史民俗資料館(義了館長)主催の今年度「徳之島のいろは」体験シリーズ第5回「鍾乳洞たんけん~鍾乳洞を見に行こう!~」が20日、町内2か所であった。町内外から小学生を含む家族連れなど約20人が参加。地表水や地下水が琉球石灰岩層に織りなす大自然の悠久の芸術、数千年前の先人たちの生活痕など息吹にも触れた。

地域の特色ある埋蔵文化財活用事業の体験イベントシリーズ。3年目の今年度は昨年7月の第1回「水中遺跡調査隊体験」(会場・同町瀬田海海水浴場)を皮切りに5回シリーズで始まり、今回のプログラム「鍾乳洞たんけん」が最終回となった。

同町内の数ある鍾乳洞のうち対象としたのはアクセスが容易な▽「ヨヲキ洞穴」(同町伊仙、町総合運動公園近く)▽「小島暗川(くらごう)」(同町小島)の2か所。ガイド役は同歴民館の安田未来(みらい)、與嶺(よみね)友紀也の両学芸員が担当。参加者の安全管理を含め職員計7人がサポートした。

ヨヲキ洞穴では、参加者たちは激しいアップダウンとぬかるんだ足下に悪戦苦闘しつつも、ライトの光にきらめく鍾乳石など大自然が育んだ大地の芸術に歓声を上げた。併せて約4500年前~1000年前の人類の生活跡(カムィヤキ陶器や土器、貝・骨製品など遺物=同資料館で展示中)が確認されていることも知り、歴史ロマンにも浸った。

同町西端の小島地区にある暗川は、専門家によると約1億年前~100万年前から水が石灰岩(隆起サンゴ礁)を溶かして地下川を形成したもの。奄美群島観光ブーム期の1970年代半ば頃までは人気の観光ルートの一つだった。参加者たちは、その名残の階段を下って入り口から約100㍍付近の暗黒の洞内で、約10㍍の高さから轟音(ごうおん)を発し豪快に水しぶきを上げる名物の滝に圧倒された。

家族3人で参加した徳之島町亀津の森田智美さん(40)は「鍾乳洞とか島の自然に興味があった。美しい鍾乳洞を初めて間近で見て感動した。機会があればまた参加したい」。長男の一喜君(亀津小2年)も「滝には一番びっくりした」と感動していた。