30年ぶりに結婚披露宴

宇検村の伝統行事・豊年祭の「振り出し」で入場した新郎の児玉啓介さん(左から2人目)と新婦の葵さん(右)
約30年ぶりに結婚式が開催された宇検村総合体育館に約200人が参加し新たな門出を祝った(20日、宇検村湯湾)

宇検村総合体育館
村職員の児玉さん夫妻
招待客200人が祝福

宇検村湯湾の村総合体育館で20日、約30年ぶりとなる結婚披露宴が開かれた。式を挙げた村職員の児玉啓介さん(29)、会社員の大郷(おおごう)葵さん(28)=ともに同村湯湾在住=の門出を祝おうと島内外から約200人が参加。指輪を交換後、ウェディングツリー(結婚証明書)へのサインと同時に、永遠の愛を列席者たちに誓った。

村関係者らによると、村内での結婚式は、地域福祉センターやけうちの郷、旧宇検村中央公民館で行われたことはあったが、同体育館(1985年竣工(しゅんこう))では90年4月以来2回目。大和村津名久生まれ、奄美市名瀬出身の啓介さん、同市名瀬生まれ、兵庫県出身の葵さんは「式を挙げるなら大好きな宇検村で」と、事例の少ない体育館での挙式を熱望。入籍から約1年後のこの日、晴れて2人の思いが実現した。

2人は村伝統行事「豊年祭」の振り出しで、まわし姿の湯湾青壮年団員らと共に入場。ケーキ入刀に代わり、地元養鶏場の卵を材料に作られたプリンタワーへ生クリームをトッピングするなど、同村の特色を生かした演出が随所に凝らされた式となった。

啓介さんは「29年間振り返っていろいろな人の支えがあって、この幸せがあると感じている。恩師など皆さん、予定を調整して出席してくれ感謝しかない」と話した。