伊仙町でフィールドワ―ク 追手門学院大が成果発表

追手門学院大学(大阪府)と伊仙町間のオンラインであった「徳之島プロジェクト」成果報告会=21日、同町ほーらい館

 

 

若者の交流人口増へ
島の魅力共有・発信へ

 

 【徳之島】若者世代の関係人口の創出、交流人口増に協力しようと徳之島・伊仙町でフィールドワークを実施してPR動画を制作した追手門学院大学地域創造学部(大阪府茨木市)の学生たちの同成果オンライン報告会「徳之島OIDAI meets ISEN」が21日、同町のほーらい館であった。地元からは小学生ら含め約80人が来場。双方の視点から島の魅力をアピールした。

 同大地域創造学部は「徳之島プロジェクト」として若い大学生の視点と感受性で体感した島の魅力を発信、若い世代の関係人口を増やそうと2022年度から継続。3回目は昨年9月に3泊4日の日程で9人(教員1人・学生7人・徳之島2世の卒業生1人)が滞在。地域に溶け込みながら密着取材して個々の計7作品に仕上げた。

 町当局は「高等教育フィールドワーク推進補助金事業」として助成。現地では一般社団法人・長寿子宝社(伊仙)、とくのしま伊仙まちづくり協同組合(同)などが側面協力した。

 動画公開では作者の学生それぞれが制作コンセプトを解説。文化財の町の奥深い歴史文化やダイナミックな自然景観、人々の厚い人情と絆で継承する上面縄集落の十五夜祭り、島の人から知る魅力(鍾乳洞)、畜産業の現状、自然素材を駆使したスローフードの郷土料理、女性杜氏(とうじ)の黒糖焼酎製品開発のこだわり―などに焦点を当てた作品を披露した。

 オンライン交流会には、島内の若い視点でも魅力をアピールしてもらおうと長寿子宝社運営の学童保育「放課後わくわくクラブ」の小学生らも参加。世界自然遺産のすごさや夕日の美しさ、クジラの見える海なども伝えた。

 フィールドワークとは別に、町内のコーヒー園を数か月間手伝った学生の越智匠哉さんは「世界自然遺産の森を見るとパワーをもらえる気がした。海遊びや農業、サイクリングも楽しめる。クジラの遊泳には自然の雄大さを感じた」。

 祖父が同島出身で3世の卒業生・雪山京香さん(第1回参加)は「数週間前にも来島。出身者ではないが島に着いた瞬間、『帰ってきたなあ』と思える空気と雰囲気、人々が私は好き。何気なく続くサトウキビ畑、どこに行ってもいる牛やヤギなど安心できる風景が多いのも好き。前泊漁港(西犬田布・トウバル)はすごく落ち着く」とも。

 同学部の吉田佳世准教授は「若者世代の関係人口の創出、徳之島・伊仙町に居住していなくても、その地域に足を運ぶ人を増やすため今後も継続。(今回の)成果も『伊仙町公式YouTubeチャンネル』に掲載させていただきます」と説明した。