市総合計画審議会

「未来の奄美市づくり計画」案を承認した市総合計画審議会

「奄美市未来計画」案を承認
「くらし」「しごと」「つながり」基本理念に
新たな15年計画 安田市長に答申へ

 奄美市の新たな最上位計画について議論する「市総合計画審議会」(惠上イサ子会長、委員15人)の第3回会合が23日、市役所第会議室であり、2024~38年度の15年間を計画期間とする市総合計画「未来の奄美市づくり計画(市未来計画)」案を全会一致で承認した。同審議会は今月30日、安田壮平市長に計画の策定を答申する。計画案は市議会3月定例会に議案として提案され、可決されれば、同市の新たな総合計画として今後、市の将来にわたる課題解決や政策方針の大きな方向性を示す指針となる。

 同審議会は昨年6月、安田市長の諮問を受け、計画づくりを進めてきた。委員は公共団体の代表や有識者、市民代表の女性8人、男性7人で構成。環境、福祉、子育て、農業、商工業、観光などさまざまな分野の識者らも名を連ねた。

 計画は、策定の背景や市の特徴・魅力・課題、長期的な政策や課題解決のための重点施策―などについて全21ページにまとめた。計画期間については、15年間の「長期的な政策」と、第1~4期(3、4年間)の「短中期的な政策」の期間を設定、第4期(36~38年度)を計画の見直し、再構築期間と位置付けた。また、総合計画に基づく「実施計画」の作成を毎年度行うことで、事業の見直しなど計画の実効性を高める。

 名瀬、住用、笠利の3地区ごとの魅力を示し、同市の課題については「人口減少に伴う人材不足により産業が縮小、給与環境が低迷することで、結婚・子育てへの不安が増大し、さらなる人口減少」といった、負の連鎖が続いていると分析。「多くの課題が産業や福祉、交通や教育、社会基盤など、あらゆる分野にまたがっている」とし、各分野を横断した取り組みの必要性を指摘した。

 長期的な政策では「自然・人・文化が紡ぐ しあわせの島」を目指すべき将来像と位置付け、短中期的に取り組む重点施策では①くらし②しごと③つながり―の3項目を基本理念として、それぞれ生活満足度の向上や経済活動の活性化、次世代を担う人材育成や「しまの誇り」の継承に取り組むことなどを掲げている。

 計画案がまとまったことについて、惠上会長は「さまざまな分野から集まった人たちが知恵を出し合うことで、シンプルで分かりやすく、市民に手に取ってもらえるコンパクトな計画案ができた。盛り込まれた内容が実現できるよう多くの市民が一緒に協力し、取り組んでもらいたい」と話した。