喜界町滝川で防火訓練

文化財を守ろうと建物に放水する消防隊員ら

文化財を火災から守れ
消防や地元住民ら連携

「文化財防火デー」(26日)を前に21日、喜界町滝川の町埋蔵文化センターで防火訓練があった。島の歴史を物語る大切な文化財を守ろうと、センター職員や消防、地域住民らが連携し、万が一に備えた。

今年は滝川、島中、城久地区を対象に実施。同センターの町教育委員会文化財保護チームらを始め、町消防分署員、消防団員、警察、地域住民ら約50人が参加し、通報から消火、避難などの手順を確認した。

訓練は、同センターの事務所から出火したと想定し、火災を発見したセンター職員の連絡を受けた集落区長が119番に通報。集まった住民がバケツリレーし、初期消火にあたった。

数分後には消防隊員や団員らが到着し、避難誘導や建物内の文化財などの運び出しをしながら、一斉放水をした。2階の逃げ遅れた職員らも、はしごで救助。鎮火後は、専門家らによる講話や消火器使用訓練を住民と行った。

同センターには、国指定史跡「城久遺跡」などで出土した町指定文化財や民俗資料などが保管・展示されている。担当者は「子どもからお年寄りがまとまり、いい訓練ができた。(消火活動の)段取りも去ることながら、地元住民と文化財について考える機会が取れたことも良かった」と総括していた。

文化財防火デーは1949年1月26日に奈良・法隆寺の金堂壁画が焼損したことを受けて55年に定められ、各地で防火訓練が行われている。