大島地区1月子牛競り

 

前回上回り活気ある取引
今後の相場、軟調に推移予想

JA県経済連肉用牛課奄美市駐在は24日、初競りとなった2024年1月の大島地区子牛競り市結果をまとめ公表した。子牛市況の総平均は45万7938円で、前回(23年11月)比4万5075円上回り、与論から最終日の喜界市場まで活気ある取引がなされた。ただ今後の子牛相場見込みは軟調に推移することが予想されており、国の支援の活用や粗飼料の自給率向上などの取り組みが引き続き求められそう。

県内子牛競り市市場で初競りとなった1月は5日の与論市場から開始、11日の喜界市場で終了した。全体の入場頭数は1912頭(雌848頭、去勢1064頭)で全て売却。平均価格は雌39万3900円(前回比4万7874円高)、去勢50万8976円(同4万557円高)といずれも上昇した。競り市は予定通り開催されたものの、定期船のエンジントラブル及び悪天候で子牛の船積みに影響が出たという。

合計平均価格にかかわる市場ごとの順位をみると、与論の47万1882円を筆頭に、沖永良部、徳之島、奄美大島、喜界の順。購買者から見た子牛評価の指標である平均単価(キロあたり)で市場を格付けすると、沖永良部の1780円を筆頭に、与論1763円、喜界1686円、徳之島1658円、奄美大島1545円の順。競り日齢にかかわる市場ごとの若齢順位は、喜界258日、沖永良部266日、与論268日、徳之島271日、奄美大島278日の順となっている。

子牛相場が上昇した要因について、同駐在は▽一部の肥育農家では1月(昨年)に仕入れた子牛が枝肉の最需要期の年末に出荷される▽12月中旬以降も枝肉相場が持ちこたえた―などを挙げる。今後の見込みとしては、「枝肉の需要期が明け、枝肉価格が下がる見込みであり、また生産資材等も高止まりしているため肥育農家の利益の確保が難しくなってきている」ことから、軟調に推移するとみている。

生産農家に対し同駐在は「厳しい環境だが、国が実施している価格対策事業(和子牛生産者臨時経営支援事業)が今年3月まで延長。また、4月から新たに優良和子牛生産推進緊急支援事業が開始されるほか、4月から肉用子牛生産者補給金制度の保証基準価格が引き上げられるなど国としても価格対策の支援を講じている」として、「交付金が支給されても厳しい状況だが、支援を受けながらこの状況を乗り切ってほしい」と呼び掛けている。