ピーチの奄美2路線は、夏場の需要期まで運休する月が連続することになる(資料写真)
LCC(格安航空会社)のピーチ・アビエーションが公表している国内線時刻表によると、奄美2路線のうち現在運休の関西線は、3月は運航するものの、4月、5月、6月と3か月間も運休が続き、7月以降の再開となる。成田線も大型連休(GW)までは曜日運航されるが、それ以降6月末まで運休となる。夏場まで運休が続くことに観光関係者からは「継続しないと次の利用につながらない。非常に厳しい」と危機感が出ている。
同社の公表によると、3月は関西線が曜日指定で、成田線は毎日運航。今月23日現在としている3月31日~10月26日は、関西線は4月から再び運休となり、運航再開は7月(1~31日)、8月(1~31日)、9月(1~30日)。夏場の3か月間は毎日運航となる。
成田線は、3月は毎日運航だが、4月は曜日指定、5月はGW中(3~6日)の運航で、6月末まで運休が続き、7月(1~31日)、8月(1~31日)、9月(1~30日)、10月(1~26日)は毎日運航する。
同社広報は奄美2路線の運航について「総合的に勘案した結果」として、成田発の時間帯が始発便(午前7時発)のため、東京周辺から利用する場合、成田空港周辺の宿泊施設に前泊が必要で負担を伴うことから改善については「(見直しを求める)声は聞いているが、そうしたことも踏まえての判断」としており、現在のところ改める考えはないようだ。
市議・県議時代に観光関連産業振興へ航空路線問題を取り上げてきた向井俊夫さん(74)は、現在も県ホテル旅館生活衛生同業組合副理事長や地元の観光関係団体の顧問・相談役として関わっている。ピーチ2路線の運航について向井さんは「運休が多く、影響が大きい。関西線の冬ダイヤの運休によって若い層の観光客が減っており、宿泊関係だけでなくレンタカー業者にも影響が及んでいる。成田線も夏場まで運休が続くとさらに悪化し、世界自然遺産登録の経済効果もしぼむのではないか」と厳しい見通しを示す。「前泊が必要な成田線の時間帯の改善を含めて早急に要請活動に乗り出すべきではないか。行政が奄美大島5市町村全体、経済・観光団体含めての要請に向けて日程を調整しているようだが、動ける分だけでも取り組みを先行すべき」と向井さんは語り、危機感を持った地元の取り組みを求めている。