作家5人「写真アート展」始まる

幅約6㍍のザトウクジラ作品を前に集う作家たち

 

 

奄美の星空、世界観多彩に
一村美術館

 

 島内外の作家5人が手掛ける作品展「奄美の星空写真・アート展」(同実行委員会主催)が27日、奄美市笠利町の県奄美パーク・田中一村記念美術館で始まった。奄美の星空や月、宇宙などをテーマに写真、絵画、立体、現代アートなど29点を展示。奄美の夜空を彩る星空からインスピレーションを受けた神秘的な作品の数々が訪れる人の目を楽しませている。2月12日まで。

 奄美観光大使で奄美の星空フォトジャーナリストの荒木マサヒロさんの呼び掛けで集い、今年で2回目。奄美大島在住の木の実クリエイターの成実さん(立体アート)、カニアーティストのあおきさとみさん(インスタレーション)、色彩と歌のアーティストのPINsoupさん(絵画)の3人に、シンガー・ソングペインターの詠美衣さん(絵画)と荒木さん(星空写真)の計5人が出展した。

 荒木さんは、夏と冬を対比した天の川など奄美で撮影した星空写真11点に、心象をつづった解説を添えて展示した。成実さんは、実寸大のザトウクジラ(半身)のシルエットで宇宙空間を描き、地球の壮大さを表現した。このほか、空間を使った立体作品「カニ宇宙」、アマミホシゾラフグや龍をモチーフにした絵画など、作家の世界観を多彩に発揮した作品が並んだ。

 初日は5作家がギャラリートークを実施。リレー形式で作品に対する思いを巡った。

 夫婦で鑑賞した奄美市の中山芳一さん(80)は「島の人たちにはない感性。5人の表現がそれぞれに刺さった」と笑顔だった。主催者の荒木さんは「テーマは同じでも(作品の)共通点はない。見て何を感じるか。心を喜ばせに来てほしい」と呼び掛けた。

 2月4日は音楽祭(午後1時~)、同11日はワークショップ(午後2時~)と関連イベントも行う。開館時間は午前9時~午後6時。観覧無料となっている。