4年ぶりに「鹿児島の夕べ」

主催者を代表してあいさつする塩田康一県知事

県特産品など「南の宝箱」東京に集結

 【東京】「南の宝箱・鹿児島」と題する「2024年度鹿児島の夕べ」が26日、渋谷区のセルリアンタワー東急ホテル地下2階のボールルームに奄美出身者を含め約600人を集めて盛大に開催された。参加者たちは、日本一の食材を使った料理や黒糖焼酎などを堪能しながら、情報を交換していた。

 同イベントは鹿児島県などが主催し、招待者らに県が誇る農林水産物や特産品、観光情報を紹介宣伝するもの。その情報を国内外に効果的に発信することを目的にしている。主催者を代表して塩田康一県知事が大島紬姿で粋に登場。国体開催や奄美群島日本復帰70周年などの2023年を振り返りながら「4年ぶりの開催に合わせ、厳選した南の宝箱を堪能してほしい」とあいさつした。来賓代表として森山裕衆院議員が登壇。「開催関係者に敬意を表する」とした上で、この日発表されたセンバツ出場校に鶴丸高校が選ばれなかったことに触れ「来年こそ100年ぶりの出場を」と語り、大きな拍手が湧き起こっていた。

 会場には30の事業者が出展し自慢の特産品などを並べた。日本一の和牛を使ったステーキハウスには長蛇の列ができ、奄美からは鶏飯が人気を集めていた。鹿児島本格焼酎コーナーには、黒糖焼酎もそろい、ソーダ割りなどが提供されていた。

 ステージでは、鹿児島を本拠地にするプロスポーツや奄美群島の映像も紹介された。その後、ウェルカムコンサートを務めた里朋樹さん、里歩寿さん兄妹による六調で興奮のうちに閉会となった。

 ロビーでは「ほこらしゃ奄美音楽祭」を案内するコーナーなどのほか、「がんばろう石川!」(石川県白山市)のコーナーも設置され、主催者は能登半島地震への募金を呼び掛けていた。

 

喜界島からのブースも


ぐりぶーと出迎える塩田康一知事知事


Keithland㈱の甲原さん


SONTAR GARDENの園田さんと妻の綾乃さん


締めの六調で盛り上がり終演に


一同そろって乾杯

鹿児島の夕べ 開発した特産品アピール

 【東京】「鹿児島の夕べ」に、奄美からは喜界島のKeithland㈱とSONTAR GARDENがブースを構えた。

 Keithlandでは、喜界島産きび砂糖と14種のスパイスなどを調合したTOBA―TOBA COLA(クラフトコーラシロップ)、コーラ製造時に使ったスパイスをシリアルにアップデートさせたグラノーラなどを展示した。

 代表の甲原和憲さん(37)は、結婚報告で喜界島に里帰りをした際に、庭先に植えられていて食べられることのないシークー(在来種島ミカン)に目が留まった。酸っぱいが香りがよく、「ベルガモットと90%同じ成分を持っている」という、このシークーを活用したいと開発した。

 SONTAR GARDENは花良治(けらじ)ミカンの香りを生かし調味料にした「本格 花良治胡椒(こしょう) 縁―ENISHI―」と、パッションシロップ、ドライマンゴー、ミカンの香りを生かしたアロマオイル「SIMAROMA」などを紹介した。「SIMAROMA」は、「2023かごしまの新特産品コンクール」で鹿児島県観光連盟会長賞に輝いている。

 代表の園田裕一郎さん(37)は2年前に役場を辞めて農業の世界に入り、仕事柄見えていた農業の課題に取り組むことになった。台風で船が途絶えると廃棄されてしまうマンゴーなどを買い取り、ドライフルーツとして商品にし「島内フェアトレード」に取り組んでいる。

 それぞれのブースごとの自慢の商品に参加者らが珍しげに足を止め試飲を楽しんでいた。

 他にも龍郷町のビッグツーからドラゴンフルーツのジュレと果実酒など、岩崎グループからは奄美産クルマエビが試食用として提供された。