第1回「島口ことわざかるた大会」

消滅危機にある島口(方言)のことわざかるたで楽しんだ参加者たち=28日、徳之島町生涯学習センター


「徳之島島口ことわざかるた」

島口を保存伝承しよう
徳之島町立図書館が主催

 【徳之島】「物(むん)ぬ 知り果てや 無(ね)ん」(物事には「もう全て知り尽くした」ということはない)――。徳之島町立図書館(里光和恵館長)が主催する第1回「島口ことわざかるた大会」が28日、同町生涯学習センターであった。小学生から70歳代まで約30人が参加。オリジナルの「徳之島島口ことわざかるた」で和気あいあいと交流した。

 「徳之島島口ことわざかるた」は、同図書館友の会(会長・里光館長)が島口(方言)の伝承活動の一環として2021年度に制作。前館長の岩下洋一さん(町誌編纂(へんさん)専門員)が郷土資料を基に監修し、イラストは元図書館職員の大屋幸姫美さんが担当した。

 幅広い世代が活用できるよう同島古来の「テーキ話・俚諺(りげん)」など計69句(枚)を絵札と読み札にピックアップ。併せて学校用と一般用それぞれのCDも制作した。

 初大会には応援の家族など含め約80人が来場。里光館長は開会あいさつで「島口を話せる世代がだんだん少なくなり、いつか消滅するのではないかと危惧されている。このかるた大会で島口をもっと身近に感じ、大いに笑って島の宝の島口を継承しよう」とアピールした。

 競技は町教育委員会社会教育課の茂岡勇次課長を読み手・解説役に、中学生・一般、小学生Aグループ(1・2年生)、同Bグループ(3~6年生)の3部門に分かれてトーナメント戦で交流。ことわざの意味にも耳を傾けながら、取り札の枚数を競い合った。

 中学生・一般の部の予選突破がならなかった同図書館協議会の政木達也会長(66)は「島口は分かるが、探すのが大変だった。ことわざには先人たちの教えの深い意味が含まれており、大事に継承してほしい。島口かるたが子どもたちの間に広まってほしい」と目を細めていた。

 【入賞者(敬称略)】
▽小学生Aグループ ①林佑磨(亀徳小2年)②首藤天佑(神之嶺小1年)▽同Bグループ ①林樹希(亀徳小4年)②首藤陽向(神之嶺小3年)、仲千鶴(面縄小3年)▽中学生・一般 ①首藤聖(井之川中1年)②嶺山朋生(井之川)