龍郷町大勝「昇り龍桜」が見頃

辰年の今年を象徴するような「昇り龍桜」が見頃を迎えている(西康範さん撮影)

辰年の象徴!くっきり
4年ぶりに「さくらまつり」計画

 今年は辰(たつ)年。関係する故事の一つに「画竜点睛(がりゅうてんせい)を欠く」がある。画竜点睛とは、中国の画家が龍の絵を描き、最後に瞳を描き入れたところ龍が天に昇ったことから、「大事な仕上げ」という意味だ。この故事にも登場する龍の様子を現在、龍郷町大勝で見ることができる。集落裏手の「寺山」と呼ばれる峰に形成された「昇り龍桜」で、今年を象徴するような景観となっている。

 寺山の山道にくっきりと浮かぶ風景を撮影したのは西康範さん。撮影日の29日は日差しが広がる晴天に恵まれたこともあり、ヒカンザクラの花の緋(ひ)色、山の緑(濃淡)、白い雲と空の青の色彩が鮮やか。開花は満開に近く見頃を迎えているという。

 山の登り口から約470㍍にかけてヒカンザクラが植樹されており並木を形成。山道は舗装されているが、最大傾斜は45度もある。大勝集落では28日に集落と壮年団で清掃作業を実施。約30人の参加があり、登り口や山道の周囲に繁茂した草などの下払い作業に汗を流した。急峻(きゅうしゅん)な上り坂の山道を頂上部分まで進むと、奄美市笠利町の蒲生崎まで見渡せる絶景が広がる。雨天時は坂道が滑るため注意が必要だ。

 集落ではヒカンザクラの見頃の時期に合わせて2月の第1日曜に「大勝さくらまつり」を開催してきた。コロナ禍で開催できない状態が続いていたが、今年は4年ぶりに4日に開催(正午から午後9時まで)。さまざまなイベントが計画されており、「昇り龍桜」が見下ろす中でにぎわいそうだ。