塩田知事から表彰状などを受け取る奄美高校の里さん(右)
【鹿児島】2023年度の鹿児島県共生・協働型地域コミュニティづくり推進優良団体の表彰式が1日、鹿児島市の県民交流センターであった。奄美関係では奄美高校が学校部門の優秀賞を受賞した。
県コミュニティづくり推進協議会(会長・塩田康一知事)では、共生・協働による地域社会づくりに積極的に取り組み、成果を上げている団体、企業、学校を毎年表彰している。今年度は地域コミュニティ組織部門で4団体、NPO部門で2団体、学校部門で3団体が表彰された。
奄美高校は「奄美の魅力を世界に発信できる」グローカルな人材育成を目標とし、奄美大島の魅力や伝統文化の継承、担い手として、高校生の視点で地域資源の新たな価値を見いだす活動を実践していることが評価された。
昨年度からは「奄美の魅力フルコース堪能プロジェクト」と題して、旅行会社や地元企業と協力し、奄美大島を満喫できるツアーを企画。山羊島ホテルでのランチに同校の郷土芸能部が島唄などを披露。「しまんちゅ学園」ではツアー客を学校に招待し、島口や島唄、大島紬について解説するなど、高校生らしい発想で島外からやってきた観光客に島の魅力を伝える活動に取り組んでいる。
授賞式に臨んだプロジェクトリーダーの里俊煌さん(情報処理科3年)は「今回の受賞は情報処理科と商業科の3年生約50人や先生方、協力してくださった地域の皆さん、ツアー客の皆さん、みんなが受けた賞」と感想。旅行会社などと協力して実際にお金を払っているツアー客を相手にした企画であり、試行錯誤が続いたが「ツアー客の方々だけでなく、一緒に取り組んだ同級生たちも心から楽しんでくれたのが何よりの思い出」になったという。卒業後は進学して教職を目指す里さんは「いずれ奄高で仕事をすることになったら、このようなプロジェクトに関わって自分の経験を生かしたい」と語っていた。