「星降るレストランIN徳之島」

島食材を一流シェフが調理提供した「星降るレストランIN徳之島」=3日、徳之島町諸田


アマミノクロウサギと共存するタンカン園での収穫体験も=3日、同町母間

一流シェフが島食材を調理
JAL・徳之島町提携 「闘牛BAR」も

 【徳之島】日本航空(JAL)と徳之島町が提携した「星降るレストランIN徳之島」プロジェクト(PJ)のモニタリングツアーが3日、徳之島町で始まった。初日は、国指定特別天然記念物アマミノクロウサギと共存するタンカン園での収穫体験や、地元のの農・畜・水産物を一流ホテル料理長らが調理したフルコースディナーも堪能した。

 同PJは、「星空」から新事業の創造を目指すJALの社内ベンチャーチームの発案で推進している。今回は、観光庁のインバウンド地方誘客や消費拡大に向けた補助事業を活用して新たな観光コンテンツの開発を目指す徳之島町と提携して準備を進めてきた。岡山県・美星町、北海道・弟子屈(てしかが)町に続き3か所目の開催となった。

 参加者(ペア)は応募者の中から抽選で決定。本土からの交通費、島内移動費は個人負担で関東や北九州地区などから8組16人、町内から7組14人の計30人が参加している。

 サブタイトルは「世界自然遺産の島で堪能するプレミアムなレストラン」。食事は徳之島町が2023年に連携協定を結んだ「城山ホテル鹿児島」(鹿児島市、矢野隆一社長)の徳重慎一郎総料理長自らが監修した。

 初日はまず、同町母間にある松下清志郎さん(61)のタンカン園を訪れ、樹の幹をかじる被害に苦心しつつもクロウサギとの〝共存〟に努力する生の声にも耳を傾けながら収穫も体験。千葉県の会社員小島雄一郎さん(47)、彌生(やよい)さん(45)夫妻は「地元で買って食べた他産地のタンカンの味とは全く別物、濃厚で甘くでおいしい」と顔を見合わせた。

 「星降るレストラン・徳之島ディナー」は、同町諸田の「徳之島リゾートホテル&オフィス」のガーデンであった。高岡秀規町長は島の歴史・文化・自然の魅力も紹介しながら「ぜひリピーターになってほしい」と歓迎あいさつした。

 会場には城山ホテル鹿児島の矢野社長も出席し、徳重総料理長や副料理長自らが出張・調理したメインの「徳之島生まれ牛ロース肉のグリル(そてつみそとマスタード風味、黒糖焼酎風味グリーンソース)」をはじめ、島の農・畜・水産物をふんだんに使った計8種のメニューを堪能。タンカンや島みかんジュース、徳之島コーヒーなども満喫していた。

 4日は、伊仙町「宮出珈琲(コーヒー)園」の見学や試飲会、徳之島町花徳「YUUNA―結那」での郷土料理教室体験、近くの花徳闘牛場では世界で唯一という観戦付き「闘牛BAR」も催される。

 徳之島町企画課は「来年度までモニターツアー事業を継続して改善を図り、独自商品化の確立を目指したい」としている。