大和村PTA研究大会

ゲームやスマホの子どもたちへの影響を学び改善策を話し合ったグループ討議

「ルール決め習慣化」
ゲーム・スマホ影響学び対策協議

大和村PTA連絡協議会(福本新平会長)は4日、2023年度第47回PTA研究大会を村防災センターで開いた。教育の現場でもICT(情報通信技術)教育が導入されるなどタブレットやスマートフォン(スマホ)といったデジタル機器が不可欠な時代となっている中、専門家の講演に基づいてゲームやスマホが与える子どもたちへの影響を学ぶとともに、対策を協議。「時間設定や置き場所などルールを決め、小さい頃からの習慣化」などが発表され、大人が手本を示す大切さが挙がった。

村内には4小学校、1中学校があるが、保護者のPTA関係者や学校関係者など約70人が出席。「健全な生活習慣を身に付けた、心豊かな大和っ子を育成するためのPTA活動はどうあればよいか」を大会テーマにした。

「ゲーム・スマホの長時間使用が子どもに与える影響と予防対策」と題して増田クリニック(鹿児島市)院長で、生涯学習県民講座の講師も務める増田彰則氏が講演。この中では睡眠の効能として▽体の疲れをとる▽脳の疲れをとり、働きを回復させる▽知識が整理され、記憶される▽成長する―を挙げ、睡眠に影響を与えるゲームやスマホの長時間利用により、海外の研究結果も紹介し「他者の痛みには鈍感で、攻撃的になる」と問題視。思いやる心や共感する心、協調性といった社会性の発達にも支障が出ることから、依存症などリスクを防ぐためにも増田氏は「ゲーム・スマホをする時間は、1時間まで」を呼び掛けた。

睡眠による脳の健全な発達を促し、集団・地域活動などにより社会性を育んでいくためにも「異変に気付き子どもを守る」大人の役割を挙げた上で、増田氏は「学力に必要な読解力を考えた場合、紙の本の方がタブレットやスマホより身に付くという調査結果がある。特に低学年はじっくりと何度も繰り返し紙の本を読む習慣を」と指摘した。

増田氏の講演を受けて出席者はグループに分かれて討議。各家庭の実態や課題、改善策を話し合い、その結果を代表者が発表。「デジタル機器の使用にあたり学習の検索と趣味の使い分けを」「時間の設定、置き場所などのルールは小さい頃から習慣化しないと身に付かない。ルールを決めるにあたり子どもにきちんと説明して話し合い、大人が手本を示す」「ICTは大事。社会性を育てることも大事であり、周囲にある豊かな自然の中で遊ぶなど地域活動に参加させたい」などの報告があった。