宇検村で「ケンムン巡り」

マジンスローカーで「ケンムン巡り」を楽しむ参加者たち(提供写真)

電動車、観光分野に生かせ
ツアー体験楽しむ

 宇検村が運用する電動車「マジンスローカー」でドライブするツアー体験が4日、同村の観光交流拠点施設「ケンムンの館」であった。簡易な移動サービスを観光分野でも生かしていこうという企画。参加者らは、ケンムンの聖地を巡って地域の歴史を学んだり、自然の中でシマ唄の生演奏を聴いたりして、ディープな宇検村を堪能した。

 同館指定管理者の一般社団法人巡めぐる恵めぐる(新元一文代表理事)が企画した。普段は高齢者の足として活躍する電動車の運休日を使っての運営を予定している。

 ツアーは、同館が取り組むイベント「ケンムン巡り」をゆっくりと走る電動車で行う。新元代表理事は「地元資源を活用した持続可能な観光事業をつくることが狙い。宇検村ならではの面白さを五感で体感してほしい」と話した。

 コースは同館を発着点に、石原、湯湾、田検の集落を巡る。同村に6か所あるケンムン像の地4か所を通り、村が誇る自然や歴史に触れていく。この日は、プレイベントとして関係者らが体験した。

 ツアーでは、同館講座のゼミ生3人を乗せて午前10時に同館を出発。途中、農家に声を掛けられタンカン狩りを行うといったうれしいハプニングもありながら、約2時間の小旅行をのんびりと楽しんだ。

 参加した奄美市名瀬の榮直美さん(49)は「スピードがゆっくりなので空気や匂い、風や虫の声を五感で感じることができた。ケンムン巡りやシマ唄は風情があり、意外と(湧き水など)水の多い地域だとも気付かされた。観光客でもぜいたくな時間が過ごせそう」と話した。

 観光ツアーは今月18日から実施予定。ツアー費は1人2千円。同館ホームページなどで受け付ける。