不登校児童生徒の支援について協議した奄美市総合教育会議
2023年度第2回奄美市総合教育会議が5日、市役所であり、同市の不登校支援について協議した。会議では、不登校生徒の現状や対策、不登校の子どもたちの学習、体験活動などの支援を行うフリースクールの実態などについて意見交換。市教育委員会は、昨年12月現在の市内の不登校児童生徒数が105人に上ることを報告した。うち、市教委が開設するふれあい教室や民間団体が運営するフリースクールなどの支援を受けている児童生徒は約30人(うち1人は市外)にとどまっている実態が明らかになった。
同会議は、市長と教育委員会が教育行政について十分な意思疎通を図り、地域の教育や課題などを共有することを目的に、市長の要請によって開催するもの。今年度は昨年10月に続き2回目の開催。安田壮平市長と村田達治教育長のほか、市教育委員3人が出席、事務局の市教委が提示した不登校の現状や課題などを基に意見交換した。
不登校の現状では、30日以上の長期欠席者が小学生63人、中学生88人の計151人に上り、うち、病気や経済的理由による欠席を除いた不登校児童生徒が小学生23人、中学生82人の計105人いることが明らかになった。
市教委は、不登校対策として平日の午前9時から午後3時まで、ふれあい教室を開設。コーディネーター、相談員各1人体制で教科学習や創作活動、読書などの学習支援を実施している。不登校の児童生徒のうち、小学生8人、中学生7人の計15人が利用しているという。
また、タブレット端末を貸し出してオンライン授業を実施。アプリを活用して板書した画像を送ったり、課題の解説動画を用いた学習を実施している。
21年9月に同市名瀬に設立されたNPO法人フリースクールMINE(マイン)には現在、小中学生15人(うち1人は市外)が通い、ワークショップなどの活動を行っている。
会議では、不登校児童生徒の支援の在り方について、学校への復学よりも、学びの場の提供による学力の保障や社会的自立を目指すことを重視した支援を目指す方針を確認。安田市長は「学校や市教委だけでなく、民間組織などとも連携し、幅広い支援の在り方を探っていく必要がある」などと指摘。村田教育長も「子どもの個性を大切に、一人一人に寄り添った教育活動を推進していきたい」などと述べた。