奄美市に新たな防災拠点

防災倉庫の前で行われた防災重機の実演を見学する安田市長ら

災害発生時の早期復旧を
B&G財団が支援

奄美市はB&G財団(東京都)の支援で整備を進めていた防災倉庫の完成に伴い、同財団と7日、災害時相互支援体制構築事業に関する協定を結んだ。倉庫には緊急対応や避難所運営に必要な重機や資材が多数配備され、災害発生時は自治体の枠を超えて早期復旧や被災者支援に役立てていく。

同財団が、全国各地の自治体と連携した事業の一環で、全国54か所に防災拠点を整備している。奄美市には22年4月から3年間で総額5900万円の支援を決めており、これまでに防災倉庫や油圧ショベル、水上バイクなどを配備し、防災拠点として整備。重機操作や避難所運営の研修・人材育成も並行して行うなどハード・ソフトの両面から支援している。

協定は、周辺自治体との連携促進、ネットワークの構築が目的。災害発生時は奄美市に限らず、近隣自治体でも活用する。

締結式で、同財団の菅原悟志理事長は「点から線、面にしていく計画。(地域の防災減災へ)心は常にそばにある。一緒に活動していきたい」と期待を込めた。安田壮平奄美市長は「奄美も豪雨災害など大変厳しい状況を経験してきた。防災のみならず日常から活用し、自ら地域を守る取り組みを加速したい」と感謝した。

式後は、ダンプや発電機、電子黒板、工具などの機材が紹介され、操作実習を受けた市職員が油圧ショベルの腕前も披露した。

財団の事業は21年度に開始。県内では、天城町、与論町、南大隅町、いちき串木野市で整備し、奄美市が5自治体目になる。