大島地域MC救急救命技術研

多様な症例を想定してあった大島地域MC救急救命技術研修会=8日、天城町防災センター

的確・迅速な救急処置を
複雑多様化へ対応 3消防組合の救急隊

 【徳之島】2023年度「大島地域MC(メディカルコントロール)救急救命技術研修会」が8日、天城町防災センターであった。奄美群島3地区の各消防組合救急隊の代表が、災害など複雑多様化する救急現場を想定して高度な救急・救命活動に取り組むシミュレーション訓練を披露。医療と連携したMC活動の標準化・スキルアップに努めた。

 医学的観点から救急隊員の応急処置技術の質を保証するMC体制の構築を進める大島地域MC協議会が主催。大島、徳之島、沖永良部与論3地区消防組合の救急隊員らを中心に、医師らも交え約60人が参加。また各分遣所も含め35か所をオンラインでつなぎ約170人が視聴した。

 徳之島地区消防組合の政木孝一消防長は開会あいさつで、能登半島地震の犠牲者に哀悼の意を示しながら「大島地域MC管内の救急隊の質を高め、複雑多様化する救急現場に対応。本研修会の経験を各所属へフィードバックしてスキルやチームワークの向上に」と促した。

 シミュレーション訓練は、各消防組合の救急救命士ら3人ずつで編成して実施。想定は①呼吸困難・急性心筋梗塞(こうそく)②意識障害・低血糖発作③外因性・食物依存性運動誘発アナフィラキシーなど。通信途絶地帯での対応も考慮。迅速・的確な状況判断や資機材を活用した救急救命活動のスキルアップに努めた。

 訓練を見守った島内医療機関の医師は、電気ショックによる心肺蘇生など病院搬送前の救命処置などにアドバイスを加えながら「高度な処置が取られたと思う」(宮上寛之医師)とも評価していた。新年度は沖永良部島地区で開催予定だ。