奄美群島タンカン品評会審査結果

奄美群島タンカン品評会受賞品は大島支庁本館4階会議室で展示された


前日の8日に行われた審査(49点が出品された)

金賞はL松本さん(徳之島町)、2L大海さん(大和村)
木の作り方工夫、適期管理徹底

 2023年度奄美群島タンカン品評会(奄美群島農政推進協議会、JAあまみ主催)の審査結果が9日、発表された。階級ごとに金・銀・銅賞(各1点ずつ)が選出され、最高の金賞はL階級が松本幸德(ゆきのり)さん(徳之島町)、2L階級は大海昌平さん(大和村)が受賞。審査により果実品質は順調な仕上がりが評価されたが、前年度の銀賞から初の金賞を受賞した松本さんは木の作り方にこだわり、適期管理の徹底に努めている。

 前年度を11点下回る49点の出品となったが、各階級別の糖度(平均・最高)と酸度(平均)をみると、L=平均が糖度12・1度(前年度11・4度)、酸度1・11%(同0・98%)、最高が13・1度(同12・5度)▽2L=平均糖度11・9度(同11・1度)、酸度1・08%(同0・93%)、最高が13・1度(同12・1度)。糖度はいずれの階級とも平均・最高が前年度を上回っており、酸がまだ残っていることからさらに糖の伸びが期待される。

 審査講評で審査委員長を務めた県農業開発総合センター大島支場の松比良邦彦支場長は「糖度は昨年より高く、酸切れも比較的良く、素晴らしい果実に仕上がっていた。外観は全体的に色のりが良く、特に受賞品は鮮やかな紅色に仕上がり、病気や傷果も少なく、きれいな果実に仕上がっていた」と評価している。

 L階級で金賞に輝いた松本さん(62)は「就農して20年余り。周囲から『Lサイズを作りこなせるようになって一人前』と言われてきた。群島品評会での金賞を目標にしてきただけに、受賞できてうれしい。1月23日に亡くなった父親(幸雄さん享年91歳)にいい報告ができる」と喜びを語った。果樹園の面積は約2㌶でまだ幼木が多いという。標高は80㍍だが、裏に高い山があり、そこから寒が下りる環境が高品質の果実づくりにつながっている。松本さんは「夏場は雨が少なく高温が続いたが、秋口以降、気象条件に恵まれ、糖度が高い良い仕上がりで品評会に出品することができた。日当たりを良くし葉を多くするなど今後も木の作り方にこだわっていきたい」と話した。

 2L階級で金賞を受賞した大海さん(67)は奄美市名瀬根瀬部居住だが、大和村の福元地区に果樹園がある。金賞はL階級で受賞した20年度品評会に続いて。JAあまみ大島事業本部果樹部会長を務め、産地をリードする農家として福元地区では若手就農者と勉強会を重ねながら技術指導にも取り組んでいる。

 金賞以外の審査結果(受賞者)は次の通り。(敬称略)

 【L階級】銀賞=西田昭仁(奄美市笠利町)▽銅賞=上村太一(大和村)

 【2L階級】銀賞=古俣文喜(瀬戸内町)▽銅賞=松本幸德(徳之島町)

 【審査員特別賞】田中幹雄(奄美市)

 【奨励賞】児玉旭(奄美市)