旧正月に「節田マンカイ」

4年ぶりに旧正月に開催された「節田マンカイ」(10日、節田生活館)

4年ぶり、観光客の姿も
男女が向き合い唄掛け遊び

 旧正月にあたる10日夜、奄美市笠利町の節田集落(長谷川雅啓区長、290世帯、467人)の生活館で、正月を祝う伝統行事「節田マンカイ」があった。4年ぶりの開催とあって、会場には、住民や帰省客などが続々と集まり、他集落や近郊のホテルなどから見学に訪れた観光客も加わり人だかりとなった。

 節田マンカイは、旧正月に室内で行われる唄掛け遊び。マンカイには「招く」という意味があり、手踊りの動きを表す。1930年頃までは笠利地区の各集落で行われていたが、現在は同集落だけで継承されている。かつては男女の出会いの場の意味合いもあったという。2008年に、県の無形民俗文化財に指定された。

 祭りは午後7時20分頃から始まった。チヂン(太鼓)とサンシンに合わせ唄掛け、手踊りを楽しんだ。座ったままで体をゆすりながら手を左右になびかせ、時には手を合わせ、終始笑顔での触れ合いとなった。

 引き継がれてきた「正月マンカイ」など3曲を歌い終えると、最後は六調で締め交流会に。婦人会が丹精込めて作った「アザンヤセ」(アザミと豚骨の煮物)」を食べながらのにぎやかな宴となった。

 長谷川区長は、「今は集落民が率先して継承に取り組んでいる。練習は年を通して月2回。夏の八月踊りと、旧正月のマンカイに合わせ行っている。集落の子どもが少なくなってきているが、しっかり後世に残していきたい」と語った。