収穫目指し春まきソバ播種

昨年の秋まきに続き春まきの播種が行われた(13日、宇検村芦検)

新たな特産作物で産地化を
宇検村芦検

 奄美群島農政推進協議会と宇検村は13日、同村芦検地区の栽培実証ほ場で春まきソバの播種(はしゅ)式を開いた。県、村職員ほか、地元の農業関係者ら約20人が出席し、収穫までの無事とともに、豊かな実りが願われた。

 栽培実証は奄美地域の新たな特産物の産地化が目的。2012年、部連集落で秋まきソバの同実証が行われたが、受粉不足などを理由に継続を断念。昨年10月、新たに芦検の休耕地をほ場に再開され、秋まき用ほ場(約20㌃)でミツバチによる花粉交配など実施。品種「さちいずみ」約150㌔、「鹿屋在来」約20㌔をそれぞれ収穫した。

 村は耕作放棄地の解消、開花による景観改善のほか既存の特産物の消費を促す、地産地消の一作物へと期待を寄せており、元山公知村長は「秋まきソバは成功と聞いて一同喜んでいる。春まきソバも次につなげていけたら」とあいさつした。

 春まきの品種は奄美地方での春季の温度、日長などを考慮し、生育日数が短めの「春のいぶき」を選定。出席者らによる手まき、事業に協力する大手農機メーカーの㈱クボタ(本社大阪市)のトラクターで播種された。

 同協議会事務局、大島支庁農政普及課の川越尚樹課長(60)は「春まきの取り組みは菜種梅雨の心配はあるが、5月初旬の梅雨を避けるため収穫までの播種日を決めた。今後、宇検村の特産作物、産地化を目指し、来年度以降も春、秋まきの比較実証を続けたい」と話した。

 収穫は4月下旬から5月上旬が見込まれ、春用ほ場約10㌃に対し70㌔の収穫が期待される。