三太郎線夜間利用適正化連絡会議

利用ルールなどを承認した奄美大島三太郎線周辺における夜間利用適正化連絡会議(14日、奄美市役所)

ルールやビジョン承認
未予約利用、10月の64台最大

 2023年度第2回奄美大島三太郎線周辺における夜間利用適正化連絡会議は14日、奄美市役所5階大会議室であった。実証実験の結果と奄美大島三太郎線周辺における夜間利用適正化利用ルールや同ビジョン案などについて協議した。会議には住用町の町内会区長や各団体、事務局などオンラインを含め40人以上が出席。「同利用ルール」と「同ビジョン」を承認した。

 同線の試行ルールは、夜間に野生生物を観察するナイトツアーの増加に伴い、車両規制や独自の観察ルールを設定し、21年10月29日に開始。ロードキル(交通事故死)など野生生物保護や、利用者間のトラブル防止に努めている。

 21年10月の運用開始から23年10月までの2年間の総利用台数は7638台で、そのうち未予約利用は931台(12・2%)。未予約利用は23年10月の65台(同月全体340台の19・1%)が最大。利用台数は2年連続で3月が特に多く、6月にかけて減少するが、7、8月に再び増加する傾向にあるとした。

 1年目と2年目の比較では、アマミノクロウサギや動物の出現種数は増加傾向にあるが、ルートセンサスによる撮影数は減少した。利用者アンケートの結果は、「とても満足」が増加し、「とても不満」が減少したとした。

 事務局が、利用ルールと夜間利用適正化ビジョンについて、第1回会議で検討事項とされた内容について回答し、修正案に反映した内容を説明。一部修正を行うことで、両案とも承認された。今後の普及、啓発に生かされる。

 利用ルールには、①ルールの概要②運用時期・時間③利用ルールの内容―などを記載。利用ルールの内容には、「住用町住民優先枠」「1枠2台までの利用」の内容が盛り込まれた。

 「三太郎線の目指す姿」を共通認識として共有することなどを目的とした、ビジョンには、①背景②三太郎線の魅力・価値(ストーリー)③三太郎線における夜間利用の目指す姿(ビジョン)④利用ルールの位置付け―などを記載。持続可能な運用体制や中長期的な検討事項も盛り込まれた。