新ターミナル建設へ安全祈願祭

大島紬柄をイメージした外観完成予想図(提供写真)


工事の無事や事業の成功を祈願してくわ入れを行う関係者

名瀬港の新たな顔に
来年7月完成予定

 奄美市の名瀬港フェリーターミナルの新築工事に伴う安全祈願祭が14日、現地であった。工事関係者をはじめ、県や港湾関係者約20人が参列し、奄美群島の新たな海の玄関口の誕生に期待を高めた。2025年7月の完成を目指す。

 県大島支庁建設部によると、1975年に建設された現施設の老朽化に伴い整備を決めた。新ターミナルは、現施設と2号上屋との間に建設。現施設を運営しながら工事を進めていく。

 新ターミナルは、鉄筋コンクリート造り3階建てで、延べ床面積1905平方㍍。外観は大島紬柄をイメージし、白大島、泥大島の色遣いで彩る。

 1階に管理事務所、待合所、発券所、2階に待合所、テナント、3階に屋上、待合所を設ける。施設内には、エレベータとエスカレーターを整備。誰でも安心して使えるユニバーサルデザインを採用した。

 施工は、植村・村上・松元特定建設工事共同企業体が担う。建築費は約8億8000万円。100%県費で賄う。建物完成後は、2階と3階に連絡橋やボーディングブリッジを設置。設備や外構の工事後に供用を開始する。

 安全祈願祭では神事の後、発注者で同庁建設部の瀬戸口淳一部長が「世界自然遺産に登録された新たな海の玄関口のふさわしい施設として、多くの観光客を受け入れ、奄美群島の全域に利益を与えてくれることを期待している」とあいさつ。祈願祭を主催した同企業体代表で㈱植村組の植村一代表取締役は「約50年にわたり県民に愛された名瀬港ターミナルビルの大事業に、私どもが培ってきた建設技術で携われることは光栄で、身の引き締まる思い。安全、コンプライアンス、品質、納期の徹底と追求を理念に工事に臨みたい」と話した。

 現施設は、新ターミナル供用開始後に取り壊す。新たに荷役所などを整備していく予定となっている。