沖永良部島の地域活性化案を発表した参加者ら(16日、知名町中央公民館)
【沖永良部】「沖永良部地域みじらしゃプロジェクト~えらぶの地域振興を考える会~」の研究成果発表会(県大島支庁沖永良部事務所主催)が16日、知名町中央公民館であった。移住者の増加や自転車の活用など四つをテーマで、行政職員がこれからの沖永良部島に必要な地域活性化案を発表した。
プロジェクトは、沖永良部島の現状と課題を把握し、今後の地域振興の在り方や観光振興策などを検討することが目的。和泊、知名両町役場と沖永良部事務所の若手職員24人が参加し、昨年6月から全6回にわたるグループワークと外部講師を招いた講演会を開き、島の活性化案について研究を重ねてきた。
発表テーマは▽沖永良部への移住者を増やす方策▽島外からの観光客を増やすためのアートに関する取り組み▽自転車の利用促進による地域振興への効果▽空き家改修・活用による地域経済の活性化―の四つ。両町役場の職員らが聴講した。
移住者の増加に向けては「住居不足への対応が必要」とし、具体的な施策として移住者向けの物件の貸し出しを促す制度と、空き家改修を促すための予算や仕組みの必要性を挙げた。また、空き家を再生・維持していくために、DIY体験プロジェクトの開催や企業版空き家バンクの運営のほか、両町で募集している空き家改修補助金について、島内在住者でも条件付きで対象に加えられるよう内容を改正するなどのアイデアが出た。
アートによる地域活性化案では、コンクリート製の貯水施設「ファームポンド」を活用したイベントを企画。自転車の利用促進では、「沖永良部島をサイクリングリゾートへ」をコンセプトに、地域の魅力を楽しみながら経済効果も見込めるイベント「ツール・ド・沖永良部」の開催を提案した。
発表を聞いた大島支庁の新川康枝支庁長は「地域の課題に目を向け、解決につなげるための企画力を養ってほしい。地域のために何かやろうという気持ちがあれば、今回のプロジェクトでの経験を自身の業務だけでなく業務を離れたところでも生かすことができるだろう」と講評した。