「世界合同プレゼンテーション」会議に臨む金久中の「TEAM AMAMI」。アマミノクロウサギのロードキル問題を英語で訴えた(17日、金久中学校)
オンライン上で世界の中高生が自国の身近にある問題を提起し、各国の参加者で情報共有し協議する「世界合同プレゼンテーション」会議(㈱With The World=本社神戸市=主催)が17日、開催された。奄美市名瀬の金久中学校から3人が参加し、アマミノクロウサギのロードキル(交通事故死)について現状報告と対策を世界に訴えた。東南アジアや中東など16か国から32校(日本10、海外22)、約250人が参加して意見交換を行った。同日夕、同中チームの元には、日本部門1位の朗報がもたらされた。
同プレゼンテーションの開催は昨年に続き2回目。国内問題、自然災害、気象問題などを中高生の立場で考え、「5年以内に解決に導く」提案をする。会議は全て英語で行われるため、交流や対話を通して実践的な英語力とコミュニケーション能力が磨かれ、多角的な視点につながっていくという。
「TEAM AMAMI」として参加したのは、いずれも同中2年の中山花乃音(かのん)さん(14)、小田島わかさん(13)、臼山倫羽さん(14)の3人。英語教諭の岡本玲子さん(32)が指導にあたった。
3人は、2021年に世界自然遺産に登録されたにもかかわらず、希少種の盗掘や交通事故死が続く現状に着目。野生生物保護センターや奄美博物館への取材を重ね、増加する一方のアマミノクロウサギのロードキルを防ぐ方法をプレゼン(提案)した。
ゆっくり走り事故を未然に防ぐことを基本に、▽情報収集のために場所を特定する方法▽事故の多い朝夕の時間帯にラジオで啓発(高齢者にはシマ口、外国人観光客には英語)▽自動車教習所、レンタカーを借りる観光客に啓発―などを提案した。
約10分のプレゼンを終えた中山さんは「思ったより緊張しなかった。インドネシアの発表で、土地や環境の問題から農業・漁業の従事者が減っていることを初めて知った」と話した。
主催者は「現在、地球が抱える問題は、若い世代がリーダーシップをとって変えていかなければならない。世界の同世代が一緒に考え、解決に導いてほしい」と意義を語った。