「まるごと奄美in奄美」に80人

ソテツの帽子をかぶり100人以上が八月踊りを踊った(17日、山羊島ホテル)

「奄美の踊りは情熱だ」 スポーツ合宿選手も加わる
6月、東京・吉祥寺で第3回開催

 コロナ禍にあった2022、23年、東京で開催された「まるごと奄美in東京」。黒糖焼酎、大島紬、シマ唄など奄美の食・産業・文化を紹介し、連日満席となったイベントが17日、「まるごと奄美in奄美」として、奄美市名瀬の山羊島ホテルで開催された。6月に東京・吉祥寺で予定される第3回開催を前に、「もっとグレードアップさせたい」という実行委員たちの思いが込められ、用意された80席は満席。八月踊りには、同ホテルに宿泊していた観光客も招き入れ、100人以上が情熱的に踊った。

 まるごと奄美は、「東京にいながら奄美を感じる」をテーマに22年、渋谷エクセルホテル東急で初開催。翌年には吉祥寺の同ホテルに場所を移した。黒糖焼酎を飲みながら、シマ唄などの奄美大島の文化を楽しめる企画は大盛況で、チケットは完売した。

 奄美大島での開催は、「都会で好評を得たイベントを島でも味わってもらいたい」との思いから。実行委員長の奥圭太さん(ばしゃ山村社長)は「この企画は、緊急事態宣言下の宮崎緑さん(田中一村記念美術館館長)との会話から生まれた。これまで2回の開催は全て満員御礼。もっとグレードアップさせたい」と力強くあいさつした。

 同会長を務める宮崎さんも「ゆくゆくはニューヨーク、パリで開きたい」と宣言した。東急ホテルズ&リゾーツ㈱の関係者も同イベントへの期待を語った。

 参加者が黒糖焼酎を飲み交わす中、和太鼓の大きな音が会場を包む。サンシンの音とともに平田まりなさんが登場、宴席を回りながら「長朝花」など3曲を歌い上げた。

 大島紬のファッションショーも華やかに行われた。銀色のブーツを履き、未来感覚の装いで登場した大島高校3年の森はるなさん(17)は「地味に見えやすいのでキラキラに仕上げた」と自慢のコーデを披露した。

 あらしゃげ会を中心とした八月踊りには、同ホテルで合宿中の女子陸上実業団3チームの選手らも参加。初体験に戸惑い気味だったが、曲が進むにつれ興が乗ったのか、スポーツマンらしいダイナミックな踊りで輪に加わっていた。

 シスメックス陸上部の瀬川帆夏(ほのか)さん(29)は「楽しかった。奄美の八月踊りは情熱で踊る感じ。地元の皆さんに歓迎してもらった。つらい合宿(14~23日)の後半も乗り越えられる」と爽やかな笑顔を見せた。

 コロナ禍で、苦境に立たされていた奄美の観光産業。有志が立ち上げ活況となった「まるごと奄美」は今年6月15、16の両日、吉祥寺エクセルホテル東急で開催される。