県議会3月定例会は20日開会した。会期は3月26日までの36日間。初日は2023年度一般会計補正(323億6800万円減額の総額9056億円200万円)や24年度一般会計当初(前年度当初比5・5%減の8405億1千万円)をはじめ予算案22件、条例改正案など38件、専決処分1件を上程。塩田康一知事が施政方針及び提案予算説明を行い、この中で3月末が期限となる奄美群島振興開発特別措置法(奄振法)については改正法成立後、速やかに新たな奄振計画を策定し、「着実な事業の推進に努め、奄美群島の振興・発展に一層全力を尽くす」と決意を示した。
24年度の主要施策として掲げているのは、①「稼ぐ力」の向上②地域産業の振興を支える人材の確保・育成③結婚、妊娠・出産、子育ての希望がかなう社会の実現④デジタルテクノロジーを活用した県民の暮らしの質の向上⑤脱炭素社会の実現と豊かな自然との共生⑥多様で魅力ある奄美・離島の振興―の六つ。このうち奄美群島振興では奄振法の改正法案が今国会に提出されたことを報告し、同法案には「法律期限の5年間の延長に加え、法の基本理念に沖縄との連携促進を追加することや、奄振交付金の対象に教育の充実及び文化の継承に資する事業を加えるなど、昨年度に県が実施した総合調査を踏まえ、関係国会議員や県議会、地元市町村と一体となって、国に強く要望してきた内容が反映されている」と説明した。
子育て支援施策では子ども医療費助成制度について未就学児を対象に、現物給付方式(窓口で無料か一定額を負担)を課税世帯にも拡大することを説明。24年度当初予算ではシステム改修費などの準備経費を計上しており、「今後、実施主体である市町村や医師会などの関係団体とも協議しながら、できるだけ早い時期に新制度を導入できるよう取り組む」とした。離島に関しては、新たに離島の子どもがやむを得ず島外の医療機関を受診する際の交通費等の助成を行う市町村を支援するとともに、離島生徒が指定の県大会等で県本土へ遠征する際の費用への支援拡大を説明した。
県財政(借金と貯金)についての説明もあった。24年度末の県債残高見込みは、臨時財政対策債等を除いた県独自に発行する県債の残高ベースで比較すると、23年度末の1兆454億円から71億円減の1兆383億円となる見通し。24年度末の財政調整に活用可能な基金残高は、23年度末の残高と同程度の251億円となり、知事は「250億円を下回らない水準を維持している」と述べた。
代表質問は2月26日、27日、一般質問は29日、3月1日、4日、5日にある。