徳之島きび

再開した南西糖業徳和瀬工場の現状報告もあった徳之島きび生産対策本部運営企画委=21日、伊仙町中央公民館

製糖進捗は前年同期比57%
徳和瀬工場の現状報告も
生産対策本部・運営企画委

【徳之島】徳之島さとうきび生産対策本部の運営企画委員会は21日、伊仙町中央公民館であった。南西糖業㈱徳之島事業本部側が深刻な機器故障で2か月間操業休止し、20日にようやく再開にこぎ着けた徳和瀬工場(徳之島町)の現状やサトウキビ圧搾計画、原料搬入状況を報告。伊仙工場中心のキビ搬入進捗(しんちょく)率は昨年同期の57・1%(18日現在)に低迷し、改めて「圧搾終了は4月14日見込み」と示した。

関係機関・団体から約20人が出席。南西糖業同事業本部農務部の担当役員は徳和瀬工場に関して「昨年12月22日、発電設備の故障で伊仙工場のみの片肺操業となり皆様方にご迷惑をお掛けしたが、無事再開ができた」と報告。「今月15日再開」めどの遅延理由に、一部外国製機材の取り寄せや、消防法に基づく許認可申請に手間取ったことなどを挙げた。

徳之島3町の今期キビ生産見込み量は16万㌧(天城町6万500㌧、伊仙町5万330㌧、徳之島町4万9170㌧)。

2か月間(年末年始休止含む)、伊仙工場のみ対応となった町別製糖状況(18日現在)は、天城町2万275㌧(前年同期3万4927㌧)、伊仙町1万7722㌧(同2万9153㌧)、徳之島町1万6015㌧(同3万385㌧)の計5万4012㌧(同9万4486㌧)。全体の進捗率は33・76%(同55%)で、搬入量は前年同期の約半分57・1%にとどまった。

前代未聞の長期休止の一方、原料キビの品質は極めて良好に推移。基準糖度帯(13・1度~14・3度)が13・48%、14・4度超が84・98%と過去最高のペース。トンあたり生産者手取り価格(原料代プラス交付金)も平均2万6417円(前年同期比2692円増)となり、「3万円」の大台達成の生産者もいるという。

ほかに徳之島さとうきび培養苗実用化推進機構(メリクロン推進機構)から、1工場休止に伴う収穫遅れの影響で、春植え用メリクロン苗、一芽苗の販売が低迷したが、今月15日頃から増加に転じたとの報告があった。

その他報告では、キビ生産者個々についても2024年度からは適正な施肥や防除、エネルギーの節減、悪臭・害虫の発生防止、廃棄物の発生抑制・適正な循環的利用及び処分、生物多様性への悪影響の防止など7項目の「環境負荷低減のクロスコンプライアンスチェックシート」(農業経営体向け)の提出が義務化されることも確認。補助事業要件となることも含め啓発推進していく。