各ブースで企業側の説明を熱心に聞く高校生たち(22日、アマホームPLAZA)
進路選択を控える高校2年生を対象にした「合同企業説明会」(名瀬公共職業安定所・奄美市主催)が22日、奄美市名瀬のアマホームPLAZA(市民交流センター)であった。島内3校(奄美・大島北・古仁屋)から約120人が参加。建設・金融・福祉・サービス業など17社がブースを設け、生徒は希望する職種や企業の説明に熱心に耳を傾けていた。
同説明会は、島内企業の魅力を伝えるため2018年から開催。昨年は、コロナ禍の影響で参加者は69人と少なかったが、今年は「地元志向の高まり」(担当者)もあり、参加者は1・7倍と急増した。
名瀬職安の東省吾所長は生徒たちに向け、「島内企業との出会いの場。人生最初の職業選択に生かしてほしい。企業は若い力を必要としている」と語り掛けた。
生徒たちは希望する企業を15分単位で回り、会社概要・仕事内容・給与体系などの説明を緊張した面持ちで聞いた。住宅手当や資格取得のための研修制度、職場の雰囲気を伝える企業もあった。
人手不足が慢性化している福祉事業所の中には、ICT(通信技術を活用したソフト)の導入例を示し、介護の仕事の変化を具体的に伝えるところもあった。
古仁屋高校2年担任の有川智子さん(45)は、「16人のうち就職希望は4人。全員が島内就職を希望している。職種は介護・事務・接客業などだが、まだリサーチ段階。4月の三者面談で決めていく」と話した。
同校の武元優斗さん(17)は、「具体的なことは決めていない。金融、福祉など手探り状態」と心境を表した。
大島北高校の徳武煌生(こうせい)さん(17)は、「母と同じ介護関係の仕事を考えている。島内で就職したい」と、すでに卒業後の将来を見据えているようだった。
名瀬職安は、23年度高校卒業予定者の就職内定率を3月に発表する予定だが、関係者の話では、地元志向が強まる傾向にあるという。