「奄美市SDGsフェスタ」

自然と調和した「縄文型SDGsビジネス」を提唱した谷中修吾教授
社会部門で大賞を受けた奄美高校のプレゼン

自然と調和したビジネスを
政策アドバイザーが講演

「未来をひらく 奄美SDGsフェスタ」(同市SDGs推進プラットフォーム主催)が23日、奄美市名瀬のアマホームPLAZA(市民交流センター)であった。同日、アドバイザーに委嘱されたビジネスプロデューサ―の谷中修吾BBT大学大学院・経営学研究科MBA教授が講演、自然と調和する事業展開として、〝縄文型SDGSビジネス〟を提唱した。奄美大島でSDGsに取り組む13団体による活動内容のプレゼンも行われ、「あまみSDGsアワード」として表彰された。

奄美市は2023年5月、内閣府が地方創生分野でのモデル構築を図る目的で創設(18年度)したSDGs未来都市に選定された。同年から「アクションプラン」を策定、30年をゴールとした環境文化経済文化都市の実現や観光ブランドの構築などに取り組んでいる。

オーストラリアを拠点に、台湾政府との地方創生コラボレーション企画の実績があり、国内での知見も多い谷中教授は同日、同プラットフォームの運営や未来都市構想の実現に向け、政策アドバイザーとして委嘱を受けた。

あいさつした同プラットフォーム会長の安田壮平市長は、「地域コミュニティーが参画し考えてもらうことが必要。先人は、自然への畏敬(いけい)の念を持って暮らしてきた。将来に向け、自然を守り経済を発展させる」と力強く語った。

「最強の縄文型SDGs~オンリーワンの奄美をつくる~」と題し講演した谷中教授は、人と自然が共生した街づくりに携わってきた経験から、「まず突き抜けたアイデアを出し、後付けでロジック(論理)を組み立てること」と、イノベーター(価値創造)型のビジネスを提唱した。

廃棄されるマグロのテール(尾の部分)の商品化、落下したミカンを農家から買い取り、医薬品や化学繊維として利用した例などを紹介。移住促進のためにユニークなコマーシャルを流し効果を上げている各地の例も示された。

さらに谷中教授は、「国連の掲げた17の目標の下には169のターゲット、232の指標がある。課題とのひもづけは難しくない。最終的なビジネスモデルの設定は、マーケティングのフレーワーク(戦略立案の手順を示した枠組み)を埋めることで完成する」と話した。