選果場持ち込み順調

タンカンの持ち込みは量の多い上場が中心となり、奄美大島選果場はフル稼働が続く

 

ばらつきを防ぐ品質保証が可能な光センサー

 

 

共販・委託とも計画近い量
JA「注文に足りず上乗せ目指す」

 

 

 特産果樹・タンカンの集出荷は後半を迎えているが、JAあまみ大島事業本部が管理する奄美大島選果場への持ち込みは順調だ。JAが販売を行う共販、選果選別のみ利用の委託含めて計画に近い量に達しているものの、島外からの注文に対応しきれない状況にあり、共販量の上乗せにJAは部会員の協力を求めている。

 選果場での受け入れは曜日を分けており、月・水・金が共販(JA出荷)、火・木・土が委託(個人出荷)でそれぞれ週3回。21日現在の持ち込み量は共販70㌧(計画78㌧)、委託125㌧(同169㌧)。持ち込みの受け入れ終了は3月10日を予定している。

 今期は早熟傾向にあり、下場は1月下旬から収穫が開始(流通は2月以降)され、2月中旬にはほとんど終了。代わって上場の収穫・持ち込みが始まり、現在は大規模栽培農家が多い主力生産地の大和村福元地区や、奄美市名瀬の本茶・安脚場(古見方)・根山地区などから集荷されている。品質保証が可能な光センサーが設置されていることから全量持ち込む農家もおり、選別機はフル稼働の状態だ。

 JAは「下場ではカラス被害により予定していた量を下回った果樹園もあった。防鳥ネットを施すなど対策に取り組めば防げるだけに実践してほしい」と指摘すると同時に、「共販出荷を申し込んだにもかかわらず、まだ出していない果樹部会員がいる。申込量に基づき販売を進めているが、量が確保できないため注文を断るという事態も出ている。今後の販売に影響するだけに申し込み通りの部会員の持ち込みをお願いしたい」と呼び掛けている。

 選果場利用は栽培面でもプラスになる。JA大島事業本部果樹技術指導員の大山綱治さんは「夏日が続くなど気温の急上昇により、いつもより早くタンカンの根が動いてる。新芽の動きにも先に合わせなければならない。安定生産のためにも管理作業(施肥や病害対策)が必要な状況となっており、選果や出荷はJAに任せて農家は来期に向けた準備に入った方が量だけでなく質の向上にもつながる」と指摘する。