公開された戦闘訓練では隊員85人、車両12両が展開した（25日、奄美市名瀬の奄美駐屯地）
体験試乗では防空システム、中距離地対空誘導ミサイル（中ＳＡＭ）の発射装置車、運搬･装填（そうてん）装置車が走行した
戦闘訓練公開、体験試乗も
住民ら２７００人が来場「奄美群島守り抜く」
陸上自衛隊奄美駐屯地（奄美市名瀬大熊町）、瀬戸内分屯地（瀬戸内町節子）の開設５周年記念行事が25日、奄美駐屯地であり、一般に開放された。戦闘訓練の公開や自衛隊車両の体験試乗のほか、音楽ステージも開催。強風が吹き、時折小雨が降る開催となったが、地元住民ら約２７００人（主催者発表）が来場した。
駐屯地、分屯地は南西諸島の防衛力強化を目的に、２０１９年３月開設。奄美駐屯地には中距離地対空誘導ミサイル（中ＳＡＭ）部隊、電子戦部隊のほか、昨年３月に新設された業務隊など隊員約４２０人が所属。瀬戸内分屯地には地対艦誘導ミサイル（ＳＳＭ）部隊など約２１０人が常駐する。
式典では奄美警備隊長兼奄美駐屯地司令の長谷川健１等陸佐（47）が、緊迫化する国際情勢を指摘し、「我が国の抜本的防衛力強化を着実に推進し、抑止力を向上させることは極めて重要」と強調。昨年初めて警備隊が災害派遣されたことや、４月から徳之島以南の防災区域が駐分屯地に移管されることを伝え、「奄美群島を必ず守り抜く」と誓いを述べた。
式典後、観閲行進が行われたほか、第８音楽隊（北熊本）による演奏や実戦を想定した格闘、戦闘訓練を公開。中ＳＡＭや高機動車、軽装甲機動車など自衛隊車両への体験試乗や、体育館で地元唄者らによる音楽ステージもあった。