龍郷町住もうディ!

奄美自然観察の森を散策する参加者

ランチを囲む頃にはすっかり打ち解け、話も弾んでいった

移住者が森と海で交流 人と人の輪広がり
キャンプ場カフェでランチ

 全国各地から龍郷町に移住した個人・家族の交流を図る「森の散策と語らいランチ」が25日あった。10組18人が参加。奄美自然観察の森で野鳥のさえずりに耳を澄まして生き物や植物を観察し、安木屋場集落に新たにオープン予定のカフェでは食事を楽しみながら移住の経緯や近況を語り合った。知らない者同士がキャンプを囲むような雰囲気となり、新たな人と人の輪が広がった。

 交流イベントは、同町で移住・定住の相談窓口となっている「移住ガイドセンター住もうディ!」が開設3周年を記念し企画した。

 奄美自然観察の森に集合した参加者は、指導員の川畑力さん(44)の案内で散策へ。歩き始めるとすぐに「どこに住んでるんですか」などと話し始め、「宮古崎(大和村)のウォーキングが気持ちいい」などと、お気に入りのスポットを薦める場面も見られた。

 水辺に差し掛かると、アマミアオガエルの声が響く中、川畑さんはシリケンイモリをすくい上げ、「尻が剣状になっているのが名前の由来。皮膚には毒がある」などと、食性や生態などについても細かく説明した。

 当日は風が強く雨模様で、バードウォッチングの聖地とされる同地でも鳥の姿はなかなか見られなかったが、時折シジュウカラやメジロのさえずりが響き、耳を澄ます参加者も多かった。

 展望台に上がると、龍郷、芦徳、赤尾木の各集落を見下ろしながら、それぞれの生活ぶりを話すなど、次第に打ち解けていく様子が見られた。

 散策を終えると、安木屋場集落の渡連キャンプ場に移動。3月3日オープン予定の「奄美ビーチカフェ渡連」で、シェフのDADAさん(46)が作るハワイ料理のランチを囲み、仕事や将来の夢など話を深めていった。

 神戸から安木屋場に移住して2年の木村正さん(72)は「南の島への憧れがあった。ハワイとの二者択一だった。奄美は、独特の音楽・文化がいい。社会活動にも取り組みたい」と意欲的に話した。

 夫の徹さん(40)の仕事がリモートワークとなり、神奈川から家族4人で赤尾木への移住を決断した渡邊真由美さん(39)。「何度も観光に訪れ気に入っていた。子どもたち(あさ葉さん(7)、樹(たつき)ちゃん(2))も伸び伸び生活している」と島生活に満足している様子。「畑を持って野菜を作りたい」と言い始めた子どもたちの望みに応えたいと笑った。

 企画した森まゆみさん(44)は「移住者同士のつながりがどんどん広がっている。移住者が移住者を呼ぶような企画を継続していきたい」と語った。